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少女黙示録  作者: 狩川藍
03『自分のことは他人がよく知っている。だって世間は君を表面でしか見ていなく、それが全てだからだ』
24/43

『比愛病はやばい奴でしかない。』

007

煙草を吸っていいかと聞かれた。

煙草と言うのはなんともイメージが悪い。

死亡率や発癌性が高いとそう世間では言われる。

実際そうである。

寿命が煙草一本につき5分30秒程縮むらしい。そして、一日に二十本(二十一本以上はベビースモーカーという定義)を1年間吸い続けると二十八日間(二月が消えるくらい)の損失であると英国王立内科医学会が1977年に発表している。

そして喫煙者と、吸ったことない人、昔吸っていたがやめた人の3グループで10年間の死亡率を比較した研究がある。すると喫煙者と吸ったことがない人と比較して男性1.6倍、女性1.9倍と高くなっていることがわかった。死亡原因ごとにみると喫煙者の死亡率は癌(男性1.6倍、女性1.8倍)心臓病、脳卒中エトセトラの循環器疾患(男性1.4倍、女性2.7倍)その他の死因のいずれも(男性1.6倍、女性1.4倍)と高くなっていた。亡くなった男性の5人に一人、22%、女性5%は喫煙をしなければ防ぐことができたものらしい。

喫煙をやめた人の死亡率は全死因、癌、循環器疾患のいずれを見ても吸ったことがない人との差異は認められなかった。

だから今からでも早死にしたくなければ遅くない。そういうことだ。

でもそれだけではない。

受動喫煙。問題になっている。

簡単にいうと喫煙によって生じた煙を第三者が吸ってしまうことだ。

これによって発癌率は1.3倍まで膨れ上がる。

嗚呼。そういえば私の父は以前喫煙者だった。

しかも一日に22本も消費するベビースモーカーだった。あの定義に則れば。

もう亡くなってしまったが、(円死光によって)私が癌を患ってからやめた。それが原因だと思うけどそうならば肺癌ではないか?何故肝臓癌なのだ?医療のプロではないから分から無いも承知だが。

まぁ医療のプロであっても日本の医師は男性27.1%、女性6.8%も喫煙している事実。手本となるべき医師が民衆に向かって「吸っていい?」と煙草に火をつけながら言っているのだ。これを批判するために煙草を熱く語るに、語るに800文字以上も費やした。無駄だ。

何故こんなことを知っているのかというと矢張りこれも言言言からの入れ知恵である。言言言がいなければこんなに長ったらしく語れ無い。友人に感謝だ。

でも、こんな煙草にアンチテーゼを長々と綴っても、私は

「別にいいですけど、もう火つけてるじゃないですか。付ける前に言ってくださいよ。」

なんて軽い形で許諾をするのだ。

煙草に悪いイメージはない。

父親が喫煙者で私が受動喫煙をしていたとしても。

お菓子と同じくらいと言うのが私の感覚だ。それはかなり、いや、大分危険だと言われても実際お菓子に大量に含まれる砂糖は麻薬のようなものなんて言われている。

だから、「幸せには多少の痛みは伴う」であろうと価値観だ。まぁ「いつも不幸で痛みまみれ」の私が言っても説得力なんてものは一ミリだって感じられないけど。

「わかったわかった。」

流し気味に言う比愛病先生。

そして、煙草を咥えて至福のひと時だろう。

嗚呼。

以前の自宅の臭いがする。

あの煙草臭いと友人に過剰なほど言われたあの臭い。

私は臭いとは思っては無かったが、慣れていたのだろう。慣れて麻痺したんだろう。久しぶりだが、懐かしいとは思わない。死んだ父の臭いでも、異臭は異臭だ。この考えは酷いのだろう。でも、そういう奴だ。私は。

ひと吸いし終わると、

「喫煙者にとって住みずらいよね。了承を得ないと五月蝿く言って最終的になんか殴ってくる輩もいるんだわ。世の中には。路上喫煙禁止の道路で吸っちゃって警察にお世話になったこともある。それくらいいいじゃんねぇ。それでも意識してるつもりなんだけどな。矢張りつもりはつもりで直らないのかなぁ。」

煙も愚痴も吐いてくる。

今の文脈を聞いていると(女子高生、女子中学生の校則違反の服装の時の言い訳のようだ)その前はところ構わず喫煙していたように聞こえる。矢張り喫煙者は自宅か、喫煙ルームでしか吸う所がないだろう。

「しょうがないですよ。煙草はそういうものですから。」

「そういうものだけど。まぁ。多分いう必要ないけども煙草じゃないよ。」

あん?

一瞬意味がわからなくて口調が、チンピラ、不良の類の空になってしまった。

嗚呼。あれか。あの禁煙促進に加担している例の菓子ココアシガレットか?一箱30円程度の。

いや、一目瞭然で否と断言できる。

棒から煙が出ている。その事実だけでわかる。

考えはなくても馬鹿でも分かる。

では、なんだろうか。

考え数秒。

あっ…。察し…。

「その顔はわかっちゃったのかな?そうだよお。そうだよぉ。ハッパ、グラス、ガンジャ、チョコ、ハシッシュ。」

隠語で言ってきた。

と言うか逆に混乱するような言い方だ。

隠す必要はないのに。

もっと有名な隠語はわざと避けたのかな。

マリファナっていうやつ。

これでわかったでしょう?

大麻です。

北海道札幌市にある大麻(おおあざ)っていう駅ではございません。

えっと。冒頭に述べた煙草の危険性やら社会問題やらを熱く800文字も語ったがそんなの聞かなくてもわかるような危険物であった。

えっ?日本で吸ってます。この人。

悪過ぎる。というよりただただ罪だ。

その上医療従事者が吸っているのだから余計タチが悪い。

だから私は言う。理由なんて言い尽くされた言葉を口うるさく。

「いやいや。大丈夫なんですかっっ!!法律的に捕まりそうですけど。って言うかなんで私に言ったんですか。そんな罪を。なんでしたっけ。大麻所持罪でしたっけ?そんなの隠し事で、一生隠し通す事項でしょう。こういうのって。」

捕まりそうではなくて捕まるのたが。

まぁこれは普通の街に限っての話だ。

ここは「円死光」によって街中破壊された名古屋なのだから、捕まえる人は皆死んだ。

それでもなんで捕まっていないんだ。

「うーん。まぁ。端的に分かりやすく述べると実はうち捕まらないんだわ。」

「ん?」

この世に治外法権、領事裁判権を持ち合わせている奴がいるのかよ。信じがたいったらありゃしない。嘉永6年あたりにしてほしいよ。

「うちは意外かもしれないけど、この国、いや、外国でもいいさ。それなりに地位の高いとこにいるのだよ。もしもここがまだ街中であり、尚且つうちが警官に職質され大麻所持が見つかったとしてもすぐに釈放、そんなものはないか。なんでもないですで終わってしまうくらいに地位があるのだよ。驚きかな。」

「驚きというより、まぁそんな感情ないんですけども、世界の闇を感じます。」

理由が地位が高いからか。

この人実はと言うか天才は天才であると常々感じていたがこれほどとは知らなかった。周りに天才が二人もいると、肩身が狭いなぁ。そんなことはないけど。

「はははっつ。そうかい。もっと酷いよ。世界は。本当、骨の髄まで真っ黒にそして真っ赤。血肉の上に社会がある。今は知る必要ないけどね。さて、まぁ一回うちの地位の高さを証明しておこうと思ってさ。それだけでうちが大麻所持、大麻吸っていることを話したんだわ。で、放何故ちゃん。うちはな。命の恩人。ましては友達とも呼べる存在を売りにしない素晴らしいお方だと思っているのだよ。密告する勇気も、利益もないだろう。しかも、密告しても捕まらないと、きた。そんな無駄足は踏まない。そしてさ、友達の一つや二つ隠し事があってそれを話してこその友情だろ?」

そうなのかなぁ。いや、でも…。

「そもそも私たち友達だったんですか?」

「おいおい。いくらなんでもうちの前では本質、本音でいいとそう思っているけどさぁ。それは傷つくよ。直球すぎやしないか。普通なら隠してなんぼ。合わせてなんぼの所だよ?うちのガラスのハート。ガラスの仮面。ガラスの地球がパリンといったよう。年齢差気にしてんだったら関係ないよ友達に。ほらアフリカでは12歳の少女と40代の男性が結婚することもあるんだから。」

変な反論だ。

「あの、触れづらいこと言わないでくださいよ。しかも結婚の話だし。もういいや。今時の子供、というか中学生以上はLINEが繋がっていて初めて友達っていう定義に入るって言う人もいるんですよ?」

そういう人もだ。でも、大分に親しい仲なら現代はLINEぐらい繋がっていて当たり前ではないだろうか。

「はぁ。つまりあれかね。LINE交換して下さいのとう回しの言い方かな?いいよ。いいよ。放何故ちゃん。うちら友達でしょ。そんなツンデレみたいな可愛い言い方しなくてもしてあげるのに。スマホがないのかな。いや、そんなわけないか。スマホがなかったら新宿とか梅田の地下街なんてダンジョン同然、スマホがなくてもダンジョンなのに四捨五入で地獄になら変わるよ。」

何かを察したようにいってますけど、何も察してないですからね。見当違いですから。LINE交換して欲しいそんなこと一ミリたって思ってなかったものだ。

小馬鹿にする口調だし、人は人を馬鹿にしている時が一番輝いて見える。悲しいことに。

「そんな含みは含まれてませんけど……。いいです。やりましょう。はいこれが私のLINEです!」

弁明や反論。意見を言うのが面倒になってきたので、もう話しをスルーすることにする。大麻所持の話なんて正直しなくない。だから、この波に乗ることにする。

ノリに乗せられた気分だ。なんか上手いことされたなぁ。

これが天才か。前々から私と比愛病先生はこういうノリだったからどこに感動?するのだろうか。

「はいはい。どうもどうも。はいこれうちのLINE…。あっ放何故ちゃんもQRコード読み取りのほうか。」

どちらもQRコードの読み取りをする画面をひらけていた。

無意識な気遣いの結果だ。

こういうのはLINE交換あるあるとして大多数の人が経験し、定着しているものであろう。

「嗚呼。あのじゃあ私がQRコードにします。」

と年功序列的に私が言い出すものだろうと比愛病先生に言う。

そして読み取ってもらう。こんなの書かなくても分かるだろう。でもこれは小説だ。くどいけども書くのだ。

と言うか、あれ?ちょっと可笑しくない?

「なんで交換できるんですか?Wi-Fiなんてないじゃないですか?こんな荒野で。」

「あーそんなことか。」

そういってポケットWi-Fiを取り出す。

どうやら圏外でもこれがあれば使えるらしい。

暗号キーとか設定してないのかな。直ぐ繋がってたし、随分と危ないネットワークではないだろうか。

「はい。来ました。あの?リーシャナって書かれているのが比愛病先生かな。」

「そーだよ。そーだよ。あだ名だよー。」

「へー。比愛病の下の名前ですか。」

「下の名前っちゃあ下の名前だけども…。」

「?」

嫌な予感、最悪なことを言われそうな雰囲気。

夥しい量の不穏が漂っている。

「よし。友達との友情に、あっ友情と遊女って似てるよね。一歩間違えればえらいことになるよね。ってのは置いておいて、より強固な友情を育む為に言うよ。実はね。うち、比愛病って名前じゃなくて、本名を鬱愛利医紗(うつわりいしゃ)って言うんだよ。改めて宜しくといっておこうか、呼び方は…、友人が付けたこのLINEに書いてあるリーシャナにする?」

「……。」

うん。ヤバいよ。

比愛病先生…、違うと言われたんだっけ?まぁこの人といるとどんどん歯車を狂わされるわ。

えっと。これはヤバい。それに尽きる。それしか言えない。


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