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少女黙示録  作者: 狩川藍
03『自分のことは他人がよく知っている。だって世間は君を表面でしか見ていなく、それが全てだからだ』
22/43

『比愛病の解釈』

005

「えっと。比愛病先生?分からなかったとおっしゃいました?」

と思ったことを口に出す。驚いた風に。聞き間違いを期待して。これは本当だ。聞き間違いではなければどうなるのだ。

「ええ。分からなかったとはっきり言ったが?何か問題でもあるのか?」

と、堂々と言う。聞き間違いではないらしい。では何故堂々としてられる。なんでも知っているかのような口振りで言っていたのに。堂々と言うより開き直った人みたいだ。

だからこう聞く。 

「いやいや、そんなこと言ったら本末転倒ではないですか?」

「いやいやは放何故ちゃんの方だよ。なんでうちが知っている前提で言っているの?うちだって真実は分からないわよ。確信があってもそれが真実とは限ら無いでしょ。ほら偶然間違いでも辻褄があってしまうことだってあるのだから。今回はそんな感じのことだから。」

いや、確かにそうだけれども矢張り堂々としすぎである。

勘違いもしてしまう。

「そうであるからうちの解釈を語るとしようと考えていたのだよ。解釈っていうのはね、信じるのも信じないのも貴方次第って奴なんだよ。」

と言ってコナンの「真実はいつも一つ」の時にやるポーズを取る。いや、でも今回は真実が見つかっていないじゃぁないですか。「真実はいつも一つ」で「解釈はいつも無限」じゃあないですか。なんだこれ。

「ではね。放何故ちゃんの無表情、無感情。まぁそれでも作り笑顔、作り感情は上手いけどね。ちょっとだけなら見てて騙されそうだよ。ってこれは置いておいて、まずは病気や症候群の可能性を疑ったんだよ。簡単で処理が一番簡単だ。人間の機能的疾患。そう言うものだろう?感情がなくなるというのは。でも直ぐに気付く。うちみたいのだったら。鬱病でも、陰性症状でも、アレキシサイミアとか。ロボトミー手術を受けた訳でもないだろう?」

「???」

何を言っているのだ?

90度どころかそれ以上に首を傾げてしまいそうに聞いたことない言葉だぞ。

私はおそらく世界を二分化したら学がない方には入るとは思うけどもあったところで知る由もない単語だぞ?

「ああ。ロボトミー手術ね。簡単に言うと脳の神経線維を切断する手術なのだけど、それには副作用があって感情が奪われてしまうのだよ。雑学として、これ自体使わなければ雑学なのかな。それを開発した人はノーベル賞を受賞しているけども。」

はぁん。初耳である。治る代わりに人間として大事な物を差し出せとはそんな悪魔的な手術がノーベル賞だと?世の中分からないものだ。そう思う。

他にも分からない病名が連なっているけど気にすることでもないかな。

「まぁそんなの知らなそうな顔してるからやっていないのだろうけど。その前に放何故ちゃんから完全に感情が消えた訳ではない。そんなに重症ではない。それは見てても微かに分かるし、だからその可能性など毛頭ない。もっと生きる活力がないような…。まぁいいさ。閑話休題。まず、何故そうなったのだろうかを考えたのだよ。問題提起だ。うち自身の。大分信じがたいが、今でもそうは思っているが、放何故ちゃんの不幸的体質のせいだろうと思った。不幸的進化の賜物だ。放何故ちゃんはうちと出会ってからどれくらい病院に行ったか覚えてるかい?骨折、骨折、骨折、肝臓癌、エトセトラ。数えるのも呆れるほど大量にだ。そして他にもっと大きな不幸があったのかは想像しかねるが、常人では耐えられないほど不幸だと言うことは放何故ちゃんと以前話して百も承知済みだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから放何故ちゃんの脳は無感情に進化したのだろう。だが、完全なる無感情にはならなかった。人間的な感情の良さに賭けたのかは分からない。それでもこんな感じであろうとは思うのだ。これが一番有力な説だと考えるのだ。ここに辿り着くまで結構時間がかかったのだよ。何故なら科学的根拠にしてみれば杜撰な考え方だ。支離滅裂である。これは感情論。無理な辻褄合わせ。摩訶不思議な力に頼る考え方である。医者にして見れば考えたくもない考え方であるけど仕方ない。なんせそうだと色々辻褄が合ってしまうのだよ。驚いたことに。」

「そうなんですか」

と軽く頷く。

「そうなんですよ。そしてこれ以上に考えても分からない。だからうちは簡単に、これは暴力的かもしれないが、しっくりはくる。そんな方法で解決をする。うちならばね。」

解決がされる。答えがわかる。いや、これは解釈か。それでもいい。私がなんなのか。何故感情が『二分の一』なのか。その解釈は終わったが、解決方法。それが必要だ。それがないと本当に私がなんなのかが分からない。自分にも他人にも分からない。それは良くないのだろう。

「新種の病気、疾患とするのだよ。問題を問題にしなければ問題にならない的な解決策ではあるけど。」


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