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少女黙示録  作者: 狩川藍
01『優しいだけの非情な少女の日常は崩れる。残念なことに』
2/43

『放何故崩無は不幸である』

002

さて、その人類を救う鍵を見つけるであろう救世主様である少女。放何故崩無(ほうなぜほうな)は現在、放課後の高校にいた。彼女は学生であるが、別に勉強をしている訳ではないし、掃除をして居る訳でも委員会活動に励んで居るわけではない。学生なのに。じゃあ何をしているのかというと答えは一つ。冤罪を晴らしている最中である。何故にだが、まぁ教師に呼び出しを食らってしまったのである。不幸な事にーーーーー

嗚呼。私何もしてないのに。何もしていないことにかけては自信があるくらいなのに。いや、何もしていなさ過ぎて罪かとは思うけれど、そういうわけではない。この状況をみるとなんだこれこの仕打ちはと思う。酷いし、お天道様が存在するのであれば存在を否定したくなる。

冤罪をかけられた際に言われるのは「お前が冤罪をかけられるようなことをするから悪い。」と。いや、さっきも言ったけれど何もしてないことにかけては自信のあるような奴なのにそんなことするわけないだろと私は思う。

そこまで頑なに何もしていないことに自信があるのかと言うと、冤罪をかけられた経緯を話す必要がありそうだ。

まずは、私の在籍しているクラスには「お金貸してください。」と常日頃から様々な人に声をかけまくっているプライドが皆無なのかと思うやつがいる。そいつの話しをしないと説明ができない。そいつの名前は奴張子碧南(やつはねへきな)という。この名前は結構不名誉的に有名で、私のもとにもしょっちゅう来るのですぐに覚えた。

何故不名誉的に有名なのかと言うと、私は昨日彼女を見かけた。これを聞けばわかる。その時一つ年下の同じ高校の二年生男子にお金を強請っているのを見かけた。本当に同じ学校の生徒として私もそう見られそうで止めてほしかった。共感性羞恥心。厄介なものだ。まあでもこれはこれでやばいとは思うがもっとやばいという時には、小学生にお金を強請っていたこともあったのだそうだ。頼むから止めてほしいと思う。

実際に止めて欲しいと代わりに私が出してあげるよと頼んだことがあるのだけれど、「崩無のくれる代金じゃあ今までの代金の足しにもならないよ。」という屑発言をした。どんだけ強請っているんだ? 

奴張子碧南本人が恥ずべき行為ということを自覚するか、自らの利益に損失が出たしまったくらいしか恐らくだが止めることはないだろう。お金の為ならプライドを捨てているしな。

そもそもプライドとか羞恥心とかが元々なかったのか、ぶっ壊れでもしていたのだろうか。

そんなこんなで碧南(何故か私は碧南に好かれていたので、まあその好意に配慮をしてしたの名前で呼んでいる。)は嫌われていた。

それでも、恵む人は大勢いたのだ。

だって碧南は何かと言って顔だけは整っていたのだ。美少女金髪のギャルみたいなテイストだった。

だから、大勢お金を恵む常連?固定?みたいなものがいたのだ。

そりゃ、そんな奴らから巻き上げた大金に勝るほどのお金は提示していなかった。この時点で可笑しいか。いや、でもさ、そんだけの人々からとってるのに何故私の所に来て強請ってくるのだ?

私はその常連とか固定とかのように碧南に好感度はない。

だからやんわりと断ろうとした。こう「いやいや碧南さん。いまお金ないです。」と。いつものように。

ここから冤罪事件が始まったのだろう。(そう書いたらなんだか凄い壮大な事件だが所詮は教師の呼び出しだけども。)

そんな嘘に碧南は

「いやいや崩無さん。ポッケから財布がでてます~。」

といって私のポッケからはみ出して見える長財布を強引に取り上げて中身を開けた。

少し抜けているなとそう感じた。

嘘をついてもつかなくても結果は同じだっただろうが、その時点では悪いと思っていなかった。

今はちゃんと後悔している。

碧南は財布を隅々まで確認し終ってから

「あれぇ。121円しかはいってないじゃぁーん。つかえなーい。てか、ポイントカード多くなーい⤴?」

失礼なこと言うなよ。

財布に121円しか入っていないのは私が電子マネー派であるからだ。そこには何万円もある。

財布は実質ポイントカード入れにしているが、まぁいい。

ここでは電子マネー派であることを救いに思っていたのだが私が財布派であったのなら「崩無ちゃんww嘘は良くないよww。」の一言でこの先の出来事は起こらずに終結していたのであろう。

えっと。冤罪を解くのに2時間くらいかかるとしてバイトしたら2000円くらいは稼げるからそんだけの損失か。時は金なりである。

碧南に2000円渡しておけばこの時間はなかっただろう。

いや、そうじゃない。2000円は寧ろ渡さなくても良かった。

財布を碧南に渡したままでは良くなかったのだ。これは今日の朝碧南から聞き、後悔した。

碧南から聞いたことこうだ。

いつものように碧南は他人に強請った。

そこに運悪く警察官が通った。そして注意された。自業自得だ。

ただそれだけのことだが、ここからが私、放何故崩無にとって何故そうなったのかと問いただしたくなるような最悪なルートを辿ることになった。

注意された碧南は身分証明のため連絡先やら通っている学校やらを言わなくてはならなかった。だけど連絡先はいつもスマホで確認していて覚えていない。そして肝心なスマホを友人の家に置いてきたらしい。学生鞄も同様にだ。そうなると碧南がその時持っていたのは崩無の財布だけだった。あとで返却しようと思っていたらしい。が、警察官はその財布を指し示し出すように要求してきた。それでも碧南は「えっと。あのこれは…」ぐらいの事は言ったのだけど、その場の雰囲気からは断るのは豪語両断。不可抗力だったと。

その結果警察官が教師に事の経緯を事細かくといった。奴張子碧南名義ではなく、放何故崩無の名義で。

これが、私が呼び出しを食らった原因である。

これを冤罪と言わずに何と言おうか。

私に落ち度は無い筈だ。いや、無理に反省するとなると千円札くらいは渡したほうがよかったとか、財布を持って来なければとか。でも実際碧南と私を天秤を掛けると一目瞭然に100%碧南が悪いことは分かる。

なんかねちねちとしているな。陰湿に聞こえるかもしれない。

嗚呼教師が、がみがみと私に説教をしている。殆ど聞いでいないが。

さて、もう現実を受け入れて冤罪を晴らすとしようか。



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