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少女黙示録  作者: 狩川藍
02『非日常でもいつも通りに振舞えるのは凄いというより寧ろ恐怖だ』
15/43

『放何故崩無は我慢出来なかった』

006

皆さんは今日を我慢しすぎると、ある時点で尿意が喪失した経験はないだろうか。

この状況はそれが原因で招いたものではあるが、それよりも彼女が人間の三代欲求の排泄欲と食欲、喉の渇きを潤す。と言う二つの名目を天秤にかけて後者を選んだからである。

そちらのほうが危険では無いだろうか。そう判断した。

この判断をするに至る際、「別に漏らしても大丈夫だろう」究極的にはそう思っていた。

狂者。異常者。

一般的にそう解釈されようがそれが彼女の考え方。

呆れると表現するより理解が不可能としか表現出来ない。

でも、人前にいたのだったならそんな事はしちゃあいなかった。当たり前だ。

あっても彼女の性質を理解した人物ならば、義理の義理だが理解できる可能性は少なからずある。

あってしまう。

最悪な可能性。

彼女は今回が初めてではなかった。この感覚何年ぶりだろうかって思っていたからね。

失禁したことを覚えている限りで話すと、まず、一歳二歳三歳のしてもおかしく無い歳の他に、小学校から下校している最中の通学路である。ここから回想シーンである。どうでもいい様な。

彼女の通学していた名古屋市立枇杷島小学校の同級生兼友達の家に寄ってから帰っている途中に起きた悲劇。

馬鹿なことに私は小学校下校時から我慢していたが、友達

に待たせてわざわざ、一度小学校に引き返すことなんてしたくなかったのだ。

だからそのまま家に帰ってから用をたそうと。そう考えていた。しかし、友達と取り留めもない会話を繰り出していると、その友達が、思い出したか様に

「昨日、名鉄百貨店で赤福買って来やったけど食べる?」と言って来たのだった。この時の自分は単純(今もだろうけど)であったため、好きなものがある。ただそれだけの為に行くと言う結論を出した。つまり好物に釣られたのだ。

あとは一つ返事で相手の家に行き、赤福をお呼ばれしながらに談笑していた。

この時に私はトイレを借りるべきだった。

でも、この時は今と同様に尿意は消失していた。

尿意が食欲に負けている。この時も。

そして何かと私が失禁する時には赤福が関わっている気がしてなら無い。今回も含めて二回だけであるけど。

二回だけでも気を付けなければならないと思う。要注意。厳重警戒。私であるってことも。

そして、1時間程度談笑し、友達に別れを告げて帰路にたった。

「いい時間だったなぁ」

そう幸福感に浸る。友達の家から大体50m歩いた地点で思った。いや、思い出したか。

尿意を。

生温い液体が太腿をつたる感触。

「…。」

失禁した。

その幸福感も瞬時に絶望に早替わりした。

でも、友達の家で失禁しなかった事はまだ救える話だとは思っているが、どうだろうか?まぁいいか。

この時はまだ恥じらいと言うものが今よりもずっと感じられる。まだ『二分の一』ではなかった。幸か不幸かは分かりかねるが。

でも、人はいなかった。防犯カメラにはバッチリと写っているだろうが。映像記録。

私はその可能性に直ぐ気がついた。

絶望感が漂う。この世に終わり。そう感じた。今では考えられない感情である。何も思わない。何も動じないのだから。

その時は失禁した後の処理は殆どしていないと言っても過言でない。

失禁して作った水溜りなんてそのままにしておいた。

犬とか、猫とかの動物のおしっこに思ってくれるだろう。人がしたなんて思わないだろうと、放置した。いい迷惑だ。

後は家に帰り、服を着替え、洗濯機に全て放り込んでシャワーを浴びる。

証拠隠滅なんて出来てはいないけども日常生活には支障がないほどには処理したはずだ。

黒歴史。

人はそう呼ぶ。私のこの出来事を。

たしかこの起源はアニメのガンダムに出てくる用語で、「正暦」以前の宇宙戦争の歴史と言うのだが、使用させていただく。これが転じて隠したい様な出来事に使われているのだ。

まぁ私に取っては事実上黒歴史ではない。だって恥ずかしくなくなったのだ。『二分の一』のせいで。

あと二回ある失禁の黒歴史もそうだ。今回含めて計4回。酷いものだ。

この話は私の記憶によ〜く残っているので代表的に回想させてもらった。回想シーンに登場した友達は私の親友です。感情が欠如した私の親友です。そう書き起こすと、その友達さんが可哀想だとか言うクレームは受け付けませんよ?

でもなぁその友達も「円死光」に巻き込まれて、この世にいないだろうけどね。

哀悼に浸るべきだな。上手くできるだろうか。と最低なこと考えながらその時、黒歴史だと思っていた事態に陥っている…。のだが、呑気なことに、実況を始める。

???

太腿をつたる尿が生温い。たが、11月で気温が低いからか、湯気が出てる。それが衣服に染みたり、水溜りを作る。

解放された気分になる。

別のことで解放されてください。そう言いたくなっても仕方がないくらい。

回想したあの失禁体験がおそらく小学二年生だったろうから…、えーと、、、約10年ぶりだなぁ。

今日立派な大人になったのに。後3ヶ月くらいで成人式なのに。今の状況で出来そうにもないけども。

さて、どうしようかな。

取り敢えず服は着替えたい。着替えを探したい。

ウィルキンソン炭酸水のシミと尿で見た目は良くない。

嗚呼。こうなるのだったら制服をスカートにするべきだった。

私はあの選択の時に何故ズボンにしたのだろうか。

今、ズボンであるからスカートより酷い。

焼け石に水だろうが、タオルで股と、太腿を拭いておこう。

一応、学生用鞄はある。いや、元々通学途中なのだから当然と言えば当然だけど、「円死光」にぶっ飛ばされていたけれど念のため持ち込んでおいた。役立った。

でも、残念なことに水溜りに浸かっている。

でも、慎重に鞄のチャックを開けて中身を拝見する。

「あー。もう教科書は使えないですね。まぁ学校後者事態なくなったと思うしいいですね。あっでもタオルは無事です。よかったよかった。私にしてはよかった。」

2本の長タオルは無事だった。

無事を確認すると下半身の服、ズボンもパンツも全て脱ぐ。脱ぎ捨てる。靴も全て。

早急に脱ぐ。

地下鉄駅の改札の前でまっぱになっても何も思っていない。正確にはまっぱではないけども、彼女の行動を真似する奴なんて露出狂か、罰ゲーム(今は、昔もか。問題になるか)の他にない。矢張り異常だ。

気にして欲しいが、気にせずに、一本目の長タオルで股と太腿を拭く。

自販機から取り出したペットボトルの水でタオルを濡らして拭く。結構冷たい。

「ひゃんっ」と普段出さない声が出てしまうくらいである。

彼女らしくもない声だ。いつも目も声も死んだ様なものだから、女らしくてやっと人間っぽく感じる。悲しき事実ながら。

と言うか、なんかこうやって拭くのはいいのだけれどもお風呂入った方がいいよなぁ。失禁した後は風呂によく入っていた。まぁ今は入りたい飲みたいと言っても簡単には無理だ。

だからできる限りはタオルで拭ける限界値まで拭こう。

でもまぁ拭き過ぎると被れるから程々にだが。

本当その拭いている姿は正しく露出狂。

露出している狂者か。

露出狂よりオープンであるから露出狂以上かも。

脱いだ服はもう使い物にならない。尿やら炭酸水やら染み込んだ服を着続けるのは好ましくないので脱がざるを得ない。

だから、腰にもう一本あったタオルを巻きつけた。

誰もいないからと言って下半身裸では流石に行動しない。

もう一本がなければそうしていただろうが、(勿論羞恥心もなく)まぁあるからいい。そんな事は考えなくて。

彼女の今の姿は誰がどうやって見ても風呂上がりの人みたいだ。主に男性がする様な。(女性でやっているのは余り見たことがない。)

女性に少なからずある品の様な欠片もない。

簡易的な衣服だとでも思って欲しい。

当然下には何も履いておりません。

そんなに用意周到さはない。

ノーパンだ。ノーパンツ。パンツを履いていない。強調して言う。スカートの様な状態で、スカートより生地が薄い状態で、その上ノーパンな為スースーする。

ノーパン状態は結構あったけどこのスースーは慣れない。慣れちゃあお終いだろうけど。

そしてスカートと言うのは機能的に無防備で、防御力が非常に、ビックリするほど低いから好んで履こうとは思わなかった。その心意気のせいでスカートより生地の薄いタオルを巻いているのだ。

と、過去の自分に文句を言っていてもしょうがない。それだったら私の人生どれほど文句を言わないといけないか…。

さておき、この脱ぎ捨てた服や鞄の処理をどうしようか。

そのまま放置は余りしたくない。

もし、「円死光」の調査員にこんな酷い有様を見られたら(教科書には名前が書いてある)世間の評価が下がる。

気にしすぎかな。あんまり世間の評価が『二分の一』の奴であるから、わかんなくて過剰になってしまう節があるけど。まぁこれはおそらく杞憂に終わりそうだ。

でも、隠滅作業とまではいかないにしても、万が一、見られた場合のことを思って念には念を持って処理をしておこう。

パンツは最低でも隠そう。変態が湧いて出てしまうかもしれない。私も十分に変態であると思うけど。

ギリギリ水溜りの被害がなかったズボンのベルトでパンツを掬う。手で掴んでも綺麗に洗う術がないからね。洗う術があったならとっくに私は喉の渇きを潤している。

そして…。んー。よし。

ゴミ箱に入れる。調査員が「円死光」と関係ないゴミ箱を漁る訳がない。そんな適当な理由で入れる。

ズボンも鞄も全てゴミ箱に投入する。ベルトも最後に。

それで隠滅とはいかない。(元々そこまではしようとは思っていないけども)

黄ばんだ液で構成された池、水溜りが残っている。

調査員が来てしまう前に蒸発してくれたら安心できるのだが。まぁいいか。調査員も誰の尿かは特定しないだろう。

動物のものと判断するんではないかな。尿さえ思わないかも。油とか。流石にないか。

さてと、後はあれだ。衣服を探しに行かなくては。

飲み物の次は衣服を探しに行くのだ。

いや、正確には盗みに行くのか。

現在、彼女はこんな大災害が起きて、何故か分からず生きていると言うのに、おおよそいつも通りという感じである。

行動も、感情も、持ち物さえも殆ど狂いない。

カッターに(関西の言い方でワイシャツ)下半身タオル。

持ち物は水、ウィルキンソン炭酸水、スマホ、財布。

服装は外で着る様な格好では毛頭ない。持ち物は身軽すぎやしないか。と、そう客観視する。

これで彼女はどうやって生き残るというのだろうか。

死んでもおかしくない。

それでも彼女は不死鳥のような存在だ。

死にそうで死なない。

何が何でも生き残ってしまう。

悪運だけは強い存在だ。

でも、生き残る前に服を探しに行った方がいい。

彼女もそうしようとしている。

いつまでもこんな格好を好き好んで彼女は、誰だってしたい訳ではないのだ。意味は違うが。


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