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少女黙示録  作者: 狩川藍
02『非日常でもいつも通りに振舞えるのは凄いというより寧ろ恐怖だ』
12/43

『放何故崩無は恐怖なんてものを優先しない』

003

彼女は、崩無は、非情的で『二分の一』の少女である。

だからこの誰が何と言っても非常事態である時にでもこう思ってしまった。

生理現象。

恐怖より生理現象を優先させた。

生理現象は当然の事。でも、普通は今ではないだろうと思いながらも優先すべきだと考える。

何故なら死にそうだ。

喉が渇いて渇いて。

いや、彼女はもう死にそうなくらいだった。

だから喉を震わせないように、余計に自分を地獄へと誘わないように、さっきから声も殆ど出さずにいる。(あっ。ぐらいはいったと思うけど。)別に声を出す必要もないのだけれど。

そして、息は口呼吸ではなく、主に鼻呼吸だが。

これは喉を渇かさないための対策ではない。いつも通り。

口呼吸は余り良くないらしいからね。

えっと。唾液が乾燥するし、虫歯とか歯周病、口臭なども引き起こすらしい。

そもそもの所鼻呼吸をするよりも、酸素の摂取量が少なくなってしまうらしい。これは最大のデメリットだ。

まぁどうでも良い。

私は後悔とも言えぬことを思う。

爆発というか「円死光」が起こると知っていたならば、(起こって欲しくなかった。いや、起こると知っていたのなら、私はこの地を去っていただろう。そんな事は出来ないが。)名駅のキオスクで飲み物を買うことを最優先にしたのになぁ。水とか、お茶とか、強炭酸水、エトセトラ。

飲み物の名前が思い浮かぶ。今の希望達だ。

この後回しにした選択という過去の自分の失態がここに来て顕著に響いている。いや、だってさぁ。思わないじゃん。後で何かしらの災害が起こるかも〜って日常的に考える人なんてさぁ。

まぁでもこう後悔紛いのことをしているが、絶望は勿論しない。する筈がない。いつも通りだし、ここから鬱になるということもない。なんせ彼女は『二分の一』。心配無用。

それでも、あの時は赤福と言う目の前の幸せを一旦放棄することなどできなかった。数少ない幸せなのだ。彼女にとって赤福は至福だった。幸福だった。

悔いはない。でもその幸せを優先させたことにより、絶望という弊害のきっかけになったのは言うまでもない。

どこまでも救われない。

救われなさ過ぎて可哀想だ。

救われなさ過ぎても彼女は後悔していないし良いのだろう…か?

というか彼女の中で赤福はどれほどに大きな存在と化したのであろうか。まぁそれくらいしか人生の幸福がないと本気でそう思う。客観的に見ても。これは本当可哀想。

不幸に対して確実に幸福になれるものが一つしかないというのはなんともバリエーションに乏しいのだろう。

それも彼女の性質。不幸であると認識していても、不幸だと感じないと言う『二分の一』の性質の逆のことも言えるのだ。ちょっとした幸福は感じない。ほっとんどないけれども、それは良くない性質だ。彼女が幸福を感じるのに普通の人の二倍素晴らしいことを体験しろ。そういうことだ。だとしたら彼女の中の赤福もなかなかの幸福だと思うのだ。まぁこの性質はそう、進化?のようなことをしたのだから仕方がないとも言える。不可抗力。

ぐっちゃぐっちゃの滅茶滅茶、無茶苦茶なのだが。

そして、ここまで喉が渇いて大変だ〜見たいな話をして来たが、それだけではないのは更に不幸なことである。

生理現象と言って最初に思い付くようなことだ。

お手洗い。化粧室。厠。トイレ。

トイレは安直だがこう大体濁されて言われる。

そう、尿も我慢の限界なのである。

今、この「円死光」の被害に遭った人の思うことでは余りない。まず、どうやって生きるか?だろう。

でもそう思ったなら仕方ない。水を摂取したいと思いながら水(尿)を出したいと思っているのも仕方がない。

文字にしてみるとあらまぁ。矛盾にしか見えないがまぁこれもまた事実。

二つの生理現象の発動で起こることだ。

だから今、彼女は二つの人間の生理現象に苦しめられていることになる。

ここからの行動は早い。あたふたしない。冷静沈着に考える。そして一刻も早くこの生存思考をするとどうしても邪魔をするであろうものを解消しなければと。

だから売店を探した。売店をだ。聞き間違い、見間違いではない。売店である。

常人なら、トイレを探すか、この場でする(仕方ないしなと思って)などをしてまずは排泄欲をなんとかしようと切り出すに違いない。

でもこの物語を読んでいる方はすぐにその基準を捨てた方がいい。

彼女、放何故崩無は喉が渇きすぎる危険性を重要視した。

喉が渇いたと言う事は、体からすいぶんが1%減少したと言う事である。2%になると目眩、吐き気、食欲減退。

10%〜12%で筋肉の痙攣、失神。

20%水分の消滅で死に至る。

普通の彼女ならばそこまで考え無いだろう。

何故不意にも思い付いたのかと言うと「尿」を我慢していた要因もあるのではないだろうかと推測する。

何故そう推測するに至るのかは2011年に発表されたイグノーベル賞のうち医学賞を受賞した、尿意が意思決定に与える影響についてだ。

研究結果はトイレに行きたいとしても、それがある一定以上の不快感を超えなければ、人は良い結果がだせる。と。

その要因も少なからずあると言ってもなんだか感情抜きの完全に論理的であり過ぎて気味が悪くも思う。

そして、理論付けが終われば彼女は行動に移した。

トイレを探すなんて事はせずに喉が死ぬから飲み物を。と言う理由で。別にトイレ探さなくても良いから尿意は済ませておけ。もしも失禁したらどするのだ。

と言う普通の感性(まぁ普通の感性なら円死光の被害に遭ってすぐに絶望と同時に出てしまうか)とは真逆的に探しにいった。

何が思いあったのかは知ら無いが、円死光で吹き飛ばされたゆりの噴水から数m離れたところからさほど近い地下鉄駅に向かった。

より正確に言うと太閤口からすぐの桜通り線の。

なんの当てもなくではないにしろ向かったのだ。

潤いを求めて。

なければ自分で出した聖水なんてものを飲もうかなぁなんてものも考えている。



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