ナルよ、正気を取り戻せ
ナナセを封印し私はため息をつく。
「そういえば」
カイが口を開く。
「どうしたの?カイ」
「封印魔法って特殊な結界が張ってあるから抜けれないんですよね?」
「何故、魔女は抜け出せたかって?」
「はい」
「確かに普通は解けない、けど、魔女だからね」
「魔女ならば不可能も可能にしてしまうと」
「そういうこと」
私とカイが会話をしていると聞き覚えのある人物が現れた。
「久しぶりねナルさん」
リナだ。前より強くなっている。
「リナ....」
リツが少し顔を逸らし名前を呟く。
「さあ、再戦しましょうか」
リナが剣を抜き構える。
「もう、負ける気は無い」
私も対峙する。
ヒナ、カイ、リツは私達から距離を取る。
「はぁ!」
リナが一瞬で間合いを詰める。
それを私は受け止める。
「これを止めるか」
「甘くみないでほしいな」
「油断なんて一ミリもする気は無いけど」
リナは距離を取る。
私はすかさず魔法を打ち込む。
「闇魔法ね」
「うん」
「3年前とはまるで違うわ、顔怖いもの」
「そうかな?」
私は間合いを詰め連撃を繰り出す。
「そういうリナは勇敢な顔立ちになったね」
「勇者だからね」
間合いを詰め合いながらお互い攻撃を交わす。
「ねえ、ハルさんが殺されたの悔しい?」
「そりゃ」
「ハルさんはナルさんが憎み進むことを望んでいるかな?」
私の動きが数秒ピタリと止まる。その数秒をリナは見逃さなかった。
「はあ!」
私は攻撃をくらい宙を舞う。
「っ〜」
「ナルさん、正気に戻って」
正気?現在も正気なんだけどな?
「ていうか、あなたが私のお父さんを語らないでよ!」
私はスキル、暗黒の転生者を発動する。
「暗黒の転生者?!」
リナは目を丸くしていた。
「本当に目を覚まさせるべきね」
リナは最強の冒険者を発動する。
「いいかげん、最悪な夢から目を覚まさせてあげる」
「いつだっておはようしてるよ」
次の瞬間他の人では目で追えない程のスピードでぶつかりあう。
ギシギシと悲鳴をあげる剣は折れる寸前。
「ダークボール!」
「くっ!」
至近距離からの攻撃をリナは交わす。
「ウィンドカッター!」
「くっ!」
私が攻撃を交わした時にはリナの姿は無かった。
「こっちよ」
「っ!!」
「いい加減、悪夢から目を覚ましなさい!」
リナは拳に炎魔法を溜め私にぶつける。その衝撃で私は吹っ飛ぶ。
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「ナル、起きろ」
....ここは?
私は霧に包まれた空間で目を覚ます。確か、リナと戦っていた筈じゃ....
「....」
「目が覚めたか!」
お父、さん?
「お前は分かっているだろうが僕は幻覚だ」
「うん」
「でも今から言うことは僕自身の本心だ」
「うん」
「お前には長生きをしてほしい。僕の分まで、だから、憎しみなんて抱えて冒険しないでくれ。僕は望んでいない」
「うん」
「だから、憎しみじゃ無く勇気を持って魔女に挑め」
「うん」
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「もう、終わりかしら?」
リナは私に向かって声を張り上げる。
「終わってない、終わらない。私の冒険はここからだ!」




