新たな始まり
目が覚めるとそこは知らない部屋のベッドだった。
「....」
意識が途絶える前のあの感覚は一体何だったんだろう....
「ナル!」
ヒナの声が耳に入る。
ヒナの方に顔を向けるとそこにはカイとリツがいた。
「ナル、大丈夫か?」
リツが腕を組みながら問いかける。
「まあ、何とか....」
「良かったです」
「お父さんは?」
「魔女の元へ向かったわ」
そっか、もう向かったんだ。
まだ、生きてるといいな。
「それでね、ナル」
「ん?」
ヒナとカイとリツは私の方をジッと見る。
「あなたは転生者、なの?」
言葉が詰まった。何故、ヒナがそれを知っているのか....
「転生者?それがどうかしたの?」
「ナルがお父様と戦っている時にね、ナルが新たなスキルを発動したの」
スキル?私のスキルは状況把握な筈....
「そして、ナルが発動したスキルは"勇敢なる転生者"。これは、転生者が稀に発動するスキルらしいの」
「へぇ」
「そのことについてカイから話があるらしいわ」
「カイが?」
「はい、ナルさん。僕は前に聞いたと思います。あなたは何者なんですかと」
あー、そういえば聞かれた気がする。その時はちゃんと返せなかったけど....
「ですが、ナルさんが転生者だと聞いて分かりました」
「わかった?」
「僕の家系ではとある話が受け継がれています」
するとカイはカバンから一冊の本を取り出した。
「この世界には、とある人物が存在します。転移者と転生者の二人です」
「うん」
前世で漫画やアニメで見たことがある。
「転生者は0歳から、転移者はその時の年齢から....」
「それで?」
「転生者と転移者は同時にこの世界に誕生します」
「ということは?」
「はい、転移者がどこかに存在する筈です」
「その人を探すの?」
「いえ、まだ話には続きがあって....転生者は冒険者として旅立ったりするんですが転移者は魔女の手下として育つんです」
そうなんだ、じゃあ、魔女を倒す前の中ボスみたいな感じなのかな?
「そして、転生者と転移者は必ずどこかで出会うんです」
「必ず?」
「はい、いつかは分かりませんけど」
そうなんだ、いつか分からないのなら警戒はしといた方がいいのかもね。
「私はその転移者にも勝つし魔女も討伐するよ。私や皆が安心して長生きできるように....」
私はベッドから下りて旅の支度をする。
「もう行くの?」
「うん、行くよ!これから少し大変かもしれないけど一緒に頑張ってくれる?」
私はヒナ達を見つめ手を差し出す。
「勿論よ、着いていくわ!魔女討伐が終わって安定した暮らしを送りつつ長生きするならお金も集めなきゃね」
ヒナが私の手を取る。
「僕も!もっと、強くなってナルさんの足手まといにならないよう頑張ります!」
カイがヒナの手に手を添える。
「フッ、少しぐらい付き合ってくれてやる」
リツがカイの手に自分の手を乗せる。
この四人で困難を乗り越えていこう!
第三章はこれにて終了です!
次から4章に突入します!
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