冒険者大会・体術の部①
カイの一回戦目の対戦相手は【ショウ・リョウ】というなんか響きがショウリョウバッタみたいな名前の人だった。
カイは特に気にすることなく構えを取る。
「坊主」
「ん?」
「上には上がいるってことを....」
「教えてやるよっ!」
審判が合図をすると同時にショウが畳み掛ける。が
「ぐへっ?!」
カイは相手の顎に一発パンチを入れた。
「上には上がいるってことぐらい僕も知っています」
カイは舐めないでくださいという顔で殴った拳をヒラヒラ振る。
「やるわね、カイ」
「そうだね」
パンチはかなり速かった。私達が思っている以上にカイは強くなったのかもしれない。
カイは舞台を降りて次の人に変わる。次々と試合の決着が着いていく中でふと、気になる参加者が現れた。
それは最後の組、【カルボ・ナーラ】というナルシトみたいな人の対戦相手、【ミズキ・ルーメン】。
特に変わりのない女の子だ。
見た目は、そうだな....小学生みたい。冒険者だから15歳以上だけど....
「始めっ!」
試合の合図が出されてもカルボは動かすミズキに話しかけた。
「キミみたいな可愛らしい女性と戦えるなんて」
カルボは髪をファサと靡かせ麗しい瞳でミズキを見る。
「ボクはなんてラッキーなんだ、神に感謝を」
と両手を広げ天を仰ぐ。
やばいやつやん。
どこの世界もやばい人はいるようだ。前世にもいた。やばい人。
「あなた、頭は大丈夫?気は確か?」
とマジ顔で審判するミズキ。
会場の観客たちは笑いを堪える。恐らくミズキに悪気はないのだろうが....
「ボクの心配をしてくれるとは」
カルボは髪を (以下略)
「優しい女性だ☆」
ウィンクが決まった。
「頭冷やした方がいいんじゃ....」
少しカルボの顔が引きつる。
「まぁ、ボクはいつだって冷静さ☆」
「冷静と頭おかしいは違うけど....」
「........」
カルボの顔から笑みが消えた。
「何故だ?」
ポツリとカルボが呟く。
「何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ?!」
だんだんと声が大きくなっていく。目は狂気に満ち歯を食いしばりミズキを睨みつけた。
「何故だ!何故、キミはボクにときめかない?!世の女性は皆、ボクに惚れ、その身を委ねた!」
「答えは簡単、私はアナタのこと別に好きじゃないもの」
「こんなにイケメンなのに?!」
「イケメンだから落とせるわけではないと思うけど」
「いぃや!女はイケメンな男が好きだ!」
「ホントに頭がイカれてた人ね、心配して損した」
はぁと溜息を一つ。
「大切なことを三つ、アナタをボコりながら言うわ」
「何?オマエみたいな女がボクに勝てると?」
「一つ、性別で強さを見分けないこと」
「ぐっ!?」
ドムッとカルボの腹部に蹴りを一つ、
「二つ、自分は誰にでも好かれてると思わないこと」
バキッとカルボの顔面にパンチを一つ、
「三つ、大戦中に悠長に話さないこと死ぬよ?」
もう口では表せない音で回し蹴りを一つ、そのままカルボは場外に吹っ飛び気絶をした。
この大会、部一つに一人はバケモノいるね。




