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冒険者大会・剣術の部、決勝

剣術の部決勝は夕方4時から行われる。


お父さんが本気でやっていたらリツはどうなっていたんだろう?


私はそんなことを思いながら修業しているカイの所へ向かった。


「カイ、調子はどう?」


カイはパンチや蹴りをしながら私の質問に答えた。


「まだまだって感じですね。恐らくは今の僕では優勝は厳しいかと....」


「まぁ、今回は自分の実力を知るということで。カイも初めよりは強くなったと思うよ」


「だと、いいですけどね」


カイは手足を止めその場に座り込む。


「ナルさんとヒナさんは桁違いに強い。特にナルさん。アナタの強さは知識にもあると僕は思うんです」


「ん?」


ふとカイと目が合う。カイの目はいつもと違う目だった。何かを疑っているような目だ。


「どうしたの?」


そう聞くと暫くしてからカイが口を開く。


「ナルさん、アナタは何者なんですか?」


と。


何者とは何か?どういうことなのか私には理解らなかった。


カイの質問の意味が


「って、僕は何を聞いてるんでしょうか」


とカイは「あはは」と笑って修業に戻る。


「ナルさん、アナタは何者なんですか?」という言葉が頭に残る。


もし、これを普通に答えるならば普通の冒険者だ。


けど、もし、カイの質問に意味が理解ってそれが「この世界の人なんですか?」的なことだったら、私は転生者だ。と答える。


だけど、転生者と知ったら何が起こるか分からない。


私は修業するカイを見つめる。

うん、なんかもう考えるのはやめだ。


「そういえば知ってる?初代優勝者リナと試合出来るのは決勝で勝ってから4日後なんだって」


「そうなんですか?」


「うん、参加者の体力を回復させてかららしい」


「へえ」


「それじゃ、私は行くね」


私は立ち上がって決勝を見に行くことにした。


大会会場に戻ると決勝なこともあって観客は熱気に溢れていた。


人混みの中でお父さんの姿を見つけた。


「お父さん」


「おお、ナル」


お父さんは私に気付いて手を振る。


「これから決勝だね」


「そうだな」


「どっちが勝つかな?」


「んー、僕はリツくんだと思うよ」


「私はヒナかな」


お父さんとどっちが勝つか予想をしていると決勝が始まった。


先制はヒナが仕掛けた。


「ふっ!」


「っ!」


剣と剣が交わり火花を散らす。

そこからはヒナの猛攻撃が始まった。


しかし、それを全て防ぐリツ。


「へぇ、リツくんの動き少し良くなったな」


「あの短時間で....」


そして次はリツが仕掛ける。

ヒナはそれを防ぐ。


気付けば会場全員がその勝負を見守るように静寂に包まれた。


響くのは剣の音だけ。


ヒナが攻撃を仕掛けるとリツが防ぎ、リツが攻撃を仕掛けるとヒナが防ぐ。


「やるな、貴様」


「貴様じゃないわ、ヒナよ」


「ふん、どちらでもいい」


「ダメよ。人の名前は覚えて」


また、ギンギンと剣が弾きあう。


「はぁぁっ!」


リツの重い一撃をヒナは防ぐ。

キシキシとヒナの剣が悲鳴をあげる。


ヒナは重さに耐え切れず姿勢を崩す。リツはそれを見逃さない。

リツはすかさず剣を入れる。


「っ!!」


ヒナは無理やり地を蹴った。

あの体制で蹴れば身体に支障が出る。


「痛っ....」


ヒナは脇腹を抑える。

剣を振るとき腰を捻る。

脇腹をやったのは痛い。


「ふぅ....どうしようかしら?」


ヒナは冷や汗を流す。

リツは一切容赦せずヒナに剣を叩き込む


「っ!!」


ヒナはそれを防ぐが顔が苦痛に歪む。だがヒナは意地でリツの剣を弾く。


ヒナは追撃をしようと踏み込むが脇腹の痛みで足がモタつく。


「ヒナ!」


「え?」


ヒナが上を見上げるとリツが剣を振り上げていた。


「終わりだ」


リツは剣を振り下ろす。


この時、誰もが目を疑った。

何故、リツが倒れヒナが立っているのか....


しかしこれは....


「勝者!リツ!」


周りはざわめいた。

何故、立っているヒナが負けなのか。


ルールを思い出そう。

剣術の部は体術と魔術は禁止。


そう、ヒナは魔術を使った。

つまり、反則負け。


「ヒナ、お疲れ様」


「ええ」


ヒナは消え入る声で返事をして倒れた。


「よし、僕がヒナちゃんを運ぼう」


お父さんにヒナを託し私はリツの元へ行く。


「リツ!」


「っ....俺は」


「勝ったんだよ」


「そうか」 


リツは起き上がり溜息をつく。


「あの土壇場で魔法使うか?普通」


「そりゃ、ピンチになったら使うよ。禁止されてても」


「寸止めするつもりだったんだがな」


「あ、そういえばお父さんがリツの剣、良くなったって言ってたよ?短い時間でよく磨いたね」


「ああ、多分それ、俺のスキルにえるな」


するとリツは私にステータスカードを渡す。


私はステータスカードを確認してリツのスキル欄に目をやる。


スキル:修正の天才(フィックスジーニアス)


なるほど、だからあの短期間で強くなったのか。


「悪い所が分かれば簡単に修正できる、それが俺のスキルだ」


「そっか、いいスキルだね」


私とリツは少し雑談をして別れた。

明日はカイの試合だ。



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