冒険者大会・剣術の部③
今、問題が発生した。
リツがヒナと勝負するには私のお父さんに勝利しないといけない。
私は前までリツの方が強いと思っていた。が、お父さんも腕を上げていた。
まぁ、お父さんとヒナの試合も見てみたいけど....
ていうかお父さん、何の潜入調査だろう?
「ねえ、お父さん。何の潜入調査なの?」
「んー?それはな、秘密だ」
お父さんは口に人差し指を当てて「しー」と言う。
ケチだな。
「まあ、僕はともかくだ」
お父さんはリナさんの方を見る。
「ふふ」
リナさんは笑いを零していた。
さっぱり分からない。
「まあ、いいや」
私は2回戦のヒナの試合を観戦する。やはり圧勝だった。
ヒナ、リツ、お父さんは順調にコマを進めて行った。
そして、リツとお父さんが当たった。どちらかが決勝にいるヒナと戦える。
「お父さん頑張って!」
私はお父さんに声援を贈る。
リナさんはリツをただ見つめてるだけだった。
審判が合図をすると同時にリツが動く。
「はぁっ!」
ギィンと剣がぶつかる音が会場中に響いた。
「いい剣だ」
お父さんはリツの耳元で囁く。
「だが....」
次の瞬間、パァンッとリツの剣を弾く。
「力任せなのが残念だよ」
お父さんはリツに攻撃を仕掛ける。リツはそれを防ぐ。
「ぐっ」
「どうして僕が今日、参加しているか教えてあげようか?」
「何?」
お父さんはリナさんをチラッと見て何かを待つ。
リナさんはそんなお父さんに頷く。
「僕はキミの妹さんから調査を受けたんだよ」
「リナから?」
ギリギリと剣同士がせめぎ合う音を出す。
「キミの冒険者としての剣腕はどうなのかってね」
「何故、そんなことを?」
「キミが心配だったからじゃないかな?」
「ふん、笑わせるな!なら、冒険者にならず俺に任せればよかったんだよ!」
リツは剣を降ろし嘆く。
「そうか、それなら....決勝でヒナちゃんに勝って彼女と勝負をしてみるんだ」
お父さんはそう一言だけ言って場外へ下りる。
審判は一度困惑していたがすぐに「勝者、リツ!」とリツの手を挙げていた。
「気に食わない男だ」
リツは「チッ」と舌打ちして審判の手を払いその場を去った。
決勝試合は夕方4時からだそうだ。




