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冒険者大会・剣術の部②

リツとチュウキュウの試合は一瞬で決着が着いた。


リツの圧勝。


「ふん、そんなので俺に勝てると思っていたのか?」


「くっ!くそっ!」


チュウキュウはリツを睨みつけ走り去って行った。


「中々やるじゃない」


「貴様は一回戦の」


「【ヒナ・マルクス】よ」


「貴様と決勝で会う時はボコボコにしてやる」


「その言葉そっくりお返しするわ」


リツは睨みつけヒナは嘲笑する。


「おお、バチバチだなぁ」


「あなたはどちらが勝つと思う?」


隣の女性が突然問いかけてくる。


「えっと?」


私は質問の意図が分からず困惑する。


「きっと決勝に行くのはヒナちゃんかリツという男性。どちらが勝つと思う?」


「......」


私はうーんと考える。


「今の状態では何とも言えません、ですが....分があるのはリツの方かと....」


「そう」


女性は微笑んで試合に視線を戻す。


着実に試合は進んで行き少し「ん?」となる相手が現れた。


それは【ジョウキュウ・シャ】と【アキ】という男性の試合だった。ジョウキュウがさっきのショーシンとチュウキュウの兄弟であろうことはどうだっていい。


問題はアキの方。


「あの構え....」


私は見たことある構えに違和感を覚えた。


審判の合図で試合が始まった。


「よぉ、おっさん。残念だがここで敗退してもらうぜ??」


「.....」


「俺は弟達の様にはいかなんでな!」


「......」


アキは黙ったままだった。

それが気に食わなかったのかジョウキュウは力任せに剣を押し込むアキはその勢いでバランスを崩す。


「はぁ....」


アキからは溜息が溢れる。

それに気付いたジョウキュウが黙っている筈がない。


「この、雑魚があああああっ!」


「......」


普通の人では見えない一閃が走る。これに気付けたのは私とヒナとリツとそして、隣の女性だけだ。カイは見えていないと思う。


次の瞬間、ジョウキュウは場外へと吹っ飛ぶ。


「し、勝者、アキ!」


体制を崩しても反撃できる人を私が知る限り一人しかいない....


「お父....さん?」


「....」


アキ(父)は目を逸す。


「ひ、人違いじゃないかい?ぼ、僕はアキだよ?」


「いやいや」


お父さんは私に近づいて来て小声で言う。


「僕は今、クエストで潜入調査をしているんだ」


「へぇ、そうなんだ」


お父さんはホッと胸を撫で降ろす。すると「ん?」と何かに気付き隣の女性に目をやる。


「これはリナさん」


え?リナ?

私は隣の席に目を移す。


「あ、紹介が遅れたわね。私は【リナ】、今日出場しているリツの妹よ」


ニッコリと微笑む女性改めリナさんはリツの探していた妹さんだった。

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