順番なんだって、待ち遠しい
朝、目が覚めた。が、針はまだ5時を指している。
「楽しみだな〜」
私は薄暗い天井を見つめ呟く。
ヒナとカイはまだ寝ているのだろうか?
私は体を起こし外へ出る。
「少し寒いな〜」
私は少し凍える体で外を歩く。
すると一人の男性を見つけた。
「来てたんだね、リツ」
「貴様か....ナル」
リツはどうやらあのツルから脱出でしたらしい。
「何しに来たの?」
「この大会の観覧者に妹が来ていてな」
「あ〜妹さん!名前、なんだっけ?」
「リナだ」
ああ、昨日の男性が言っていた名前。どこかで聞いたことあると思ったらリツの妹か。
「それでこの街に?」
「ああ、何でも剣術の部で優勝すると会えるらしい」
「なんでまた?」
私は何故、優勝したら彼女と戦えるのかをリツに聞いてみた。
「リナは冒険者大会の初代優勝者なんだ。優勝した者は初代優勝者と戦う権利が与えられる。勝てば二代目優勝したとしてその名を刻める」
「そっか、つまり妹さんと戦って勝利して連れ帰ると?」
「ああ....」
リツはニヤッと笑い私を見る。
「じゃあ、リツは剣術の部に参加しているんだ」
「そうだ、ナルはどうなんだ?」
「私は魔術部」
「ふん、残念だ。貴様ともう一度剣を交えたかった」
「じゃあ、今、交える?」
私は念の為身に着けていた剣を抜き取った。
「ねぇ、どっちかが勝ったらお願い聞こうよ」
「何?」
リツは左の眉をピクッと動かす。
「ふん、いいだろう」
「私が勝ったら仲間になって。リツは?」
「俺は....」
リツはお願いを言う前に私に剣を叩き付ける。
「俺は、お前の有り金を全部貰う!」
ジリジリと犇めく剣の摩擦音。
「そのお金で妹さんと?」
「いや、妹にはその金で安泰な暮らしをしてもらう。俺は魔女を殺すっ!」
ギィンっと剣を薙ぎ払う。
私はそれをいなす。
「フレイムボール!!」
無詠唱?!リツも無詠唱が使えるの?!
私は飛んできた火の玉を剣で払う。
目の前にリツはいない。
「はぁっ!」
いきなり現れたリツに対応出来ず蹴りを左腕に食らう。
「っ!」
案の定受身をとれたがダメージは大きい。
「というかこれ、どうやったら勝ちなの?」
私は蹴られた左腕に回復魔法をかける。傷が少し癒えた。
「どちらかが気絶したらでいいんじゃないか?」
それは名案!私は「分かった」と一言。
「さて、どうしようかな....」
今回は罠を仕掛けていないから勝てるかどうか分からない。
間違いなくリツはお父さんより強いと思うし、私はお父さんに勝つのがギリギリだったから。
「微妙だなぁ....」
私は冷や汗を流す。
「いくぞっ!」
リツは猛スピードで私に近付き剣を振るう。
「っ!」
チッと私の頬を掠める。
そこからはリツの猛攻撃だ。
私はそれを交わすだけ....
「交わしているだけじゃどうにもならないぞ?」
確かに....だけど、意味も無しに交わしているわけではない。
今、私はリツの剣を動きを観察している。
剣を振るタイミング、踏み込むタイミング....
「見えたっ!」
私はリツの剣を交わししゃがみ込む
「何っ!?」
私はリツの足を蹴り体制を崩させ私は次に剣を握っているリツの手を蹴り、剣を離させる。
「狙うは....みぞおち!」
力を溜め込んだ左手をグアっとリツのみぞおちにめり込ませる。
「ぐぅえっ!!」
リツは悲痛な声をあげそのまま気絶した。
「ふう....あと少し遅かったら私の負けだったよ」
私は気絶したリツを見つめ回復魔法をかける。
目が覚めるまで待とう。
リツが気絶してから一時間が経った。やっとリツは目を覚ました。
「何だ....俺の負けか」
リツは起き上がりお腹を押さえる。
「まあ、いい約束だ。お前の仲間になってやる」
「ありがとう」
「そういえばお前は魔術の部だったな?」
「うん、そうだけど。それがどうかした?」
「じゃあ、大会三日目だな」
「え?」
「ん?」
私は「どういうこと?」という目でリツを見た。リツは「どうした?」という目で私を見た。
「待って、そんなのあったの?」
「なんだ、説明聞いてなかったのか?」
「そんな説明あったっけ?」
「あったぞ」
「いつ?どこで?誰が言ったの?」
「昨日、受け付けで、受付の人が言っていた」
私はエントリーした時のことを思い出す。
あ〜その時、新しい魔法をヒナとカイに見せれる、ワクワク!とか考えてた所だ....
「そう、だったんだ。他のこと考えてた」
「そうか、順番は剣術の部、体術の部、魔術の部の順だ」
リツは立ち上がり宿へ戻る。
私も後をついて戻る。
「リツ、剣術の部に出るならヒナと戦うかもね」
「ヒナ?」
「私の友達だよ。結構強いよ」
「そうか、だが、俺は負けない」
リツはスタスタと歩いて行った。
クールだなぁ。
「大会終わったら一緒に旅しようねー!」
聞こえたのか聞こえてないのか分からないけどまぁ、いいや。
「にしても順番制なんて、待ち遠しいなぁ」
私は少しテンションが下がった。
にしても、ヒナとリツの試合かどっちが勝つんだろう?
私はドキドキを胸に起床したであろうヒナとカイの元へ向かった。
20話を迎えました!
次話からは大会編です!大会編は少し長くなるかもしれませんが応援よろしくお願い致します!
「面白い!」と思っていただけたら私も励みになります!




