冒険者大会に参加しよう!
私とカイは何戦か剣を交えたあと、食事の片付けをしているヒナの元へ戻る。
「そういえばヒナさんの目的は何ですか?」
「私?私は"色んな世界を見る"よ」
「何故それを目的にしたんですか?」
「あー、ヒナって言動が酷いから印象ないかもだけどマルクス家の令嬢なんだ」
「えっ?!」
カイが「嘘でしょ!?」と言いたそうな顔でヒナを見る。ヒナは不機嫌そうに「何よ」とカイを睨む。
「そうよ、私はマルクス家の令嬢。学校以外外に出ることは無かったわ」
いわゆる箱入り娘。
どこの世界の貴族は厳しい。あ、でも私が生きていた前世ではそんな子はいなかったよ?多分ね。私の知る限り。
「私はそんな肩書から逃れるため冒険者になったわ、だから色んな世界を見たかったの」
ヒナは燃え盛る火を消して用意しておいたシーツの上に寝そべる。
「私たちも寝よっか?」
「そうですね」
私とカイはクスッと笑って眠りについた。
朝、目を覚ますとブンッと剣を振るう音が聞こえた。
「カイ、早いね」
「おはようございます、ナルさん」
カイは私に一礼をして剣の修行に戻る。
「私もいいかな?」
「はい!是非!」
私とカイは雑談しながら剣を振るっていた。
「ふぅ〜いい朝ね〜」
ヒナが起きてきたので剣を止める。
「なぁに?朝から秘密の稽古?ラブラブね」
「そんなんじゃないし!」
「そんなんじゃありません!」
私とカイはヒナに向かって剣を向ける。
「何よ、冗談よ。だから剣をしまって?怖いわ」
私とカイは剣をしまい朝食の準備をする。朝食を終えた後は街に向かうつもりだ。
「にしてもこのサンドウィッチィ美味しいわね」
サンドウィッチィとは前世のサンドウィッチに似ているというかそのものだ。
パンとパンの間にレタスやチーズを挟んだもの。
「さて、朝食も食べ終えたことだし行こうか?」
私たちは街へ向かった。
街には30分程で着いた。何やら人で賑わっている。
「なんの集まりでしょうね?」
「さぁ?」
「聞いてみようか?」
私は近くにいた男性を尋ねる。
「これ、なんの集まりですか?」
「ああ、これか?これは冒険者大会だ」
冒険者大会?初耳だ。
「どんな大会ですか?」
「聞いての通り冒険者の大会だ」
「内容を」
「....」
何故、黙る。
「冒険者の大会はな三つの部がある。剣術の部、体術の部、魔術の部だ」
「へぇ、優勝すると何かあるんですか?」
「金が貰えるな」
「それって幾らぐらいですか?」
「500リーブラだな」
ってことは10万円?!暫くは生活に困らないんじゃない?!
前世なら厳しいけどこの世界なら結構安泰な暮らしができる金額だよ?!
「私も参加しようかなぁ〜」
私は少しウキウキで列に並ぶ。
「嬢ちゃんがか?ははっ、やめておけ!」
男性は笑って手をヒラヒラさせる。
「嬢ちゃんの様な冒険者は直ぐに負けるよ」と列を進む。
「いやいや、分からないですよ?意外と優勝しちゃったり?」
私は内心腹を立てながら列を進む。
「まさかな、冒険者"リナ"じゃあるまいし」
リナ?どこかで聞いたことがあるような....
「因みにあなたはどの部に参加するんですか?」
「俺か?俺は魔術部だ」
「へぇ〜」
私も魔術部にしよう!と心に決めた。
「ちょっと、ナルいつまで話してるのよ」
ヒナが少し怒り気味で私に近付いてくる。後ろにいるカイは困り顔だ。
「冒険者大会だって!優勝したら500リーブラだよ!?」
「え?ホント?私も参加しようかしら?」
「嬢ちゃんもか?やめとけ」
さっきの男性がヒナに笑いかける。
「おい、坊主!」
「ぼ、僕ですか?!」
カイはビクっと肩を震わせる。
「坊主、嬢ちゃんたちの仲間か?だったら男として守ってやれよ?」
「あはは、頑張ります」
カイは目を逸らして苦笑いをしている。
エントリーをし終えた私たちは街の宿へ向かった。
大会は明日かららしい。
部はそれぞれ別の所にした。
私は魔術部、ヒナは剣術部、カイは体術部。
私が魔術部にした理由はあの男性をぶっ飛ばす為でもあるがもう一つある。
「明日、遂に二人の前で見せられる!」
私は「ふふふ」と笑い手を眺めた。
明日の大会が楽しみだ!




