それぞれの目的
私たちは夕食の準備をしていた。
そういえば、リツはあのツルから抜けれたのだろうか?
多分大丈夫だ。
「よし、ラムット切るのは任せてね!」
私はポンッと胸を叩く。
ヒナは「分かったわ」と言って
街を出る前に貰った食材を洗う。
「よし」
私はラムットを数体地面に置く。
そう、いつしか思っていた....風魔法上手く使ったら包丁代わりになるのでは?を今日実践するのだ。
私は少しだけ指先に魔力を込め
「ウィンドカッター!」と放つ。
するとシュンっと小さな音をたててラムットは輪切りになる。
これは成功?いや、大成功だ!
「ふふっ、いいね」
私は笑いをこぼした。
輪切りにしたラムットの皮を削いで肉だけにする。
「ヒナ、切れたから置いとくよ?」
「ありがとう」
ヒナは洗い終わった食材を「これも切っといて」と私に渡す。
これ、下に置いたらダメだから....私は空中に投げてウィンドカッターで切る。
しかし、よく考えたら魔力の使い過ぎは良くないのでは?と思った。
「モンスターは切るときだけにしよう」
私はそう心に誓い切った野菜たちをヒナに手渡す。
「カイ、火の調子はどう?」
「いい感じです!」
カイはゴホゴホと咽ながら火を扇ぐ。
今日はバーベキューなのだ!
そう、私が前世で行った楽しいイベントランキング第6位!
(適当)
食事の準備を終えそれぞれ座って肉などを頬張る。
バーベキューって串に食材差して焼くだけだから簡単だよね。
火を起こすの大変だけど、この世界は魔法が使える!そんなのちょちょいのちょい!だ!
暫くモグモグと頬張っているとカイが口を開いた。
「あの、ナルさんとヒナさんは何が目的なんですか?」
カイが空になった串を炎の中へ放り込んで問いかける。
そういえばカイには言ってなかったね。よし、いい機会だし言おう。
女子会ならぬ冒険者会だ!
「私は"長生き"だよ」
「え?」とカイが目を丸くしている。まぁ、大体の人はそうなるよね。
「冒険者は死と隣合わせですよ?なのに長生きですか?」
「うん、そうだよ」
「それって矛盾してるんじゃ?」
「う〜ん、してるかもしれないし、していないのかもしれないね」
「どういうことですか?」
「確かに冒険者は死と隣合わせ。でも、私が長生きするには冒険者になる必要があった」
「それって....」
「魔女の討伐....」
ヒナが呟く。私は頷く。
「で、でも、魔女に辿り着くまで強いモンスターは沢山!」
「だから、負けないように強くなる。強くなれば魔女やモンスターを倒す以外にも自分を守れて人を助けられる、素敵なことだと思わない?」
「......」
「カイだって世界平和でしょ?」
「え?はい!」
「今のカイのままで世界平和は達成できる?」
「!」
カイは目を一瞬丸くして俯く。
「無理、ですね。僕、弱いですし」
「うん!だから、カイは強くならなきゃいけない!途中で死んじゃったら目的も達成できないからね!」
私はニコッと笑って串を炎の中へ放り込んで立ち上がる。
「カイ、剣を交えようか?」
「は、はい!」
私の目的は確かに矛盾しているのかもしれない....でも、前世ではよくお母さんが言っていた。
「人は矛盾をかかえて生きていくものよ。矛盾がない人なんてこの世にはいないわ」と....
お母さんの言葉で一番好きな言葉だ。
「よし、かかってきて!」
「はい!」
その日、カイは少し強くなっていた。ラムットを倒せるぐらいには




