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2.吸引されたその先は
黒っぽい石状の床に 魔法陣があった。
自分が倒れているため 全部は見えないが、ぜったいそうだと絵梨は思う。
「成功だ!」 「やりましたね」「当然ですよ」
パチパチパチ パチパチ パチパチ
ん? 拍手かい?
「なんだお前ら、どういうことだ?」
ちょっとガラの悪そうな、お兄さんの声がする。
あ、さっきのリア充の男だ。えっと相方は・・・正座してるよ。あれ、ぼんやりし
てる。いやいやわたしは起きなくちゃ。
と思ったら だれかが手を出してきた。
「大丈夫ですか?起きれますか?」
なんか堅そうな革のような服を着た金色の髪の人が 絵梨に手を差し伸べていた。
「はい、・・・だいじょうぶかな⁈」
絵梨はゆっくりと立ち上がった。
横を見ると 白っぽいワンピの子も別の金髪の人につかまっていた。
「さっさと説明しろ!」
気の短そうな男は魔法陣を超えて手近な長いローブを着た人につかみかかっていた。