寒天ができる
「できた~寒天が出来たでござる~~」
寒天が……固まった!!
「おいしそうだな」
寒天は実にうまく固まっていた。
「はい、上手く固まってくれました」
「寒天、固まってるでござる~~」
「プルンプルンだね~~♪」
「はい、プルンプルンです」
胸がプルンプルンのお姉さんがプルンプルンになった寒天を手に取る。
「なんだか白い宝石みたいです……」
「はい、綺麗です」
「涼しさを感じます。涼菓、ですね」
「これが日本の寒天、ですね」
透き通る白い宝石。
寒天の印象はそれだった。
涼やかで透明なお菓子。
それが日本の寒天だと、風守の女達はほめる。日本大好きお姉さん達である。
「天代様、一口どうぞ」
くノ一達が寒天を差し出した。
「うむ」
天代が寒天を口にする。
「うまいのじゃ」
天代ちゃまご満悦。
寒天がおいしかったのである。
「こっちも食べるでござるよ~~」
「少し固かったでしょうか」
「うまく固める事を意識しすぎたかもしれません」
「でも、おいしいです」
「少し甘味が強いかもしれませんが……」
「それもまた良い、かもしれませんね」
「うむうむ」
頷く天代。
「基本的に、じゃが……寒天自体には味がない」
続ける天代
「だからこそ色々な味付けができる。今回は少し甘味が強いが、甘味を抑えたり、みかんなどを入れるのも可能じゃ」
天代は語る。
「作る側の心遣いがあらわれるもの、じゃの」
うむうむ。
「寒天は日本の文化じゃの~~」
寒天はおいしくできたのであった。