エピソード、キャラクター解説のこと
四章と五章が最終章となるので、その前にメインキャラクターとエピソードの設計をパパッと解説します。
2026-0318イラスト更新
・第一章について
多くの小説コンテスト等の応募要項の最低文量……つまり文庫本一冊分を満たし、かつ起承転結をキッチリ済ませる――というコンセプトで、徹底的に軽量化したエピソードとなっています。
敢えて流行に迎合せず、ボーイミーツガールの王道に則った作風にしました。
時事の流行に合わせてしまうと、塩漬けの耐用年数が減ってしまうのです。
元々はある案件用に作製したのですが、「俺はよォ~~寿司が食いてぇ~~んだよ! いらねぇんだよ!
こんな! 保存食ッッッ!」と某氏が後の席で誰かが食べていたカップラーメンに割り箸を折ってドヤ顔で放り込んでしまわれたので、私が個人的に使用することになりました。
個人的に使用するにあたり「じゃあもう俺が月勝手やらせてもらぅからよォ~~!」の開き直りで、やりたいこと大体詰め込むように改修しました。
ゆえに毎回必ず誰か一人、女の子が悪堕ちします。
1.東瀬織について
元々は10年くらい前に書いていた小説のサブヒロインだったのですが、ヒロインとしての発展性とポテンシャルを感じていたので主人公への起用となりました。
何よりもは私がオネショタとダークヒロイン大好きなので、1/3くらいは私情で推しています。
「1000年前に廃棄された呪術兵器」という基本設定は原形キャラから変わっていませんが、主人公用に色々と肉付けしてあります。
扶桑樹の化身という設定も今回から新たに付加しました。
神樹が悪堕ちして害虫になるって……素敵やん? デビル○ンダムみたいな異形化って……素敵やん?
もちろん、そういう個人的な趣味以外にもちゃんと理由のある設定です。
名前のモチーフとなった瀬織津姫は穢れを清める川の神であると同時に、最高神である太陽の女神のもう一つの姿という伝承もあります。
すなわち、同じく水と太陽の恵みを与える扶桑樹にピタリと当てはまる。
太陽と水は万物に等しく恵みを与える命の源でありますから、瀬織が景に抱いている感情は母もしくは歳の離れた姉のごとき慈愛なのです。
「人間の手に負えない増殖する兵器→インターフェースを噛ませてある程度の制御下に」という変遷で、全く意図していなかったのですが、よくよく考えるとデス〇ティンガー(バトスト版)の擬人化みたいなキャラに仕上がってしまいました。
2.マガツチについて
昔からこういうSF系の小説を書くときに念頭に置くのは「商品化できるようなガジェットを取り入れる」ことです。
たとえ商業作品でなくても、そういう俯瞰した視点を持つことが作品全体を洗練することに繋がります。
瀬織は原形になった小説の時点で、いわゆるアーマーヒロインだったのですが、当時はただの外部装甲/軽装パワードスーツといった感じで、ギミックに乏しいものでした。
「装甲を邪神像的なオブジェにする」という案もありましたが、単なる置物では面白くない。
なので「蟲型支援メカからアーマーに変型する」このマガツチが誕生しました。
かつて鋼鉄なクロスでアーマーをビークルに変型させたバン〇イさんの気持ちが良く分かります。
演出上でも支援メカとの同一画面上にいると絵的に華がある上、キャラクターとのコンビネーションでメカニックの魅力を見せていけると判断しました。
共通規格ハードポイントが全身についているので、いわゆる組み換え遊び的な演出も可能です。
サソリ型なのにも理由があり、瀬織が扶桑樹の象徴的なキャラクターなので樹木に食害を及ぼさない蟲としてのチョイスかつ、デザイン的にも生理的嫌悪感が少なく、また世界の神話上でも強さの象徴として君臨していることから、サソリを選びました。
瀬織への装着コードが「重連合体」なのは、マガツチの元になった昔の小説のアーマーの各種ネーミングを某列車ロボから拝借していた名残です。
3.東景について
普通のライトノベルだと主人公にされるようなキャラですが、敢えてサブキャラクターに配置しています。
オネショタの主導権をショタに明け渡してはいけないので、彼は捕食対象なのです。男気とか見せなくて良いのです。愛玩動物なのです。
何の特別な力もない普通の人間ですが、瀬織にとっては彼が帰るべき家なのです。
家がビーム出したり勇者に覚醒する必要はないのです。
4.宮元園衛について
私の最も古い小説のキャラクターが原形になっています。
そして作品を重ねるごとに24歳→27歳→29歳と年を取っています。ギリギリの年齢に設定したのは、人間は崖っぷちに立たされることで限界以上の力を発揮するからです。
元々は「ライトノベル読者も歳を取っているのだから、10年前に読んでいたようなラノベのヒロインもそれに合わせて成長させてみよう」というコンセプトで生まれたキャラクターでした。
つまり、大人になって読者が同じ目線になれるキャラを……という設計思想でした。
当時は時期尚早の感のあるコンセプトで、あまり支持の得られなかったキャラクターだったので、リメイクにあたりかなり改修を施しています。
一昔、あるいは二昔前に良くいた「刀を振り回す退魔バトルヒロイン」の最終回から10年後の姿……と思ってください。
次々と武器を持ち替えて戦うスタイルは足利義輝とバトル〇ィーバーロボから着想を得ました。
5.氷川朱音について
彼女は「ヒロインになれなかった少女」「ハシゴを外されたヒロインのなり損ない」であり、その絶望と渇望ゆえに悪堕ちして頂く役回りです。
第一話は贅肉をそぎ落として極限まで絞り込んだエピソードゆえに、彼女も必要最低限まで描写を絞り込んであります。
第一話以降出番はありませんが、次回に出ます。
・第二章について
ゴジュ〇スが好きだ。
恐竜ロボが好きだ。
好きで好きでどうしようもなく好きだったから……ブチ込んだ。
ハッキリ言うと、ロボット小説というのは労力に対してリターンが乏しい。
必要とされる知識量に対して、得られるものがあまりにも少ない。
だからもう……仕事以外じゃ書きたくないの。ノーギャラじゃやりたくないの。
でもロボ好きなの。
大好きなの。
だから適度なサイズで、無理のない演出のできる5メートル級ロボの激突にしました。
怪獣もののテイストも盛り込んでいます。
ゴ〇ラ……? 知らない怪獣ですね。
個人的事情で何か月か休載した時期がありますが、あの間に予定していた展開を変更してスピーディな構成にできました。
途中まで書いていた内容は全没にして書き直してあります。
この第二章は私的に小説を使うことに決めてから構成したので、本当に好き勝手にタフな気持ちでやってしまいました。
1.左大億三郎
他で塩漬けにしている「異世界トラックvsチンピラユーチューバ―」的な小説のキャラを一部改修して使用。
私は常々、ラノベ界隈をチラ見しては思っているのです。「お行儀がいいキャラ多いなァ~~……」って。
破天荒で暴力的なキャラクターは読者に反感を抱かれる。それは分かる。
でもよォ~~、バイオレンスでクレイジーな"珍獣"ってのはよォ~~、良い"見せモン"だよなぁ~~~~?
なので、彼は感情移入の対象ではなく、見て楽しむ類のキャラクターと考えてください。
このオッサンを書いてるとね、すごく楽しいの。
女の子の悪堕ち描写書いてる時と同じくらい楽しいの。
恐竜酔拳なるふざけた拳法の技名が何かに似ているというのは、恐らく幻覚でしょう。
2.カチナ
今回の悪堕ち担当。憑依乗っ取りいいよね……。
同時にマスコットキャラ担当でもあります。
彼女にも後で少し役割があります。
・第三章について
10年前からやりたかった「10年後の主人公たち」的なエピソード。
全く別系統の二つの作品の主人公をクロスオーバーさせたような話です。
落ちぶれて身も心もズタボロになったヒーローの再起って……素敵やん?
ガン○ッド507しかり、◇の仮面ラ〇ダーしかり。
私の悪癖で「何らかの形でニンジャを出したい」という欲求が常にあるのですが、今回は第三話まで我慢できました。偉いっ。
ついでにサド看守も出したかったのですが、キャラをムショにブチ込む暇がないので代わりにサド官僚に出てもらいました。看守も官僚も似たようなモンやし……。
キャラクターをイチからガッツリ掘り下げたので異例の長さになってしまいました。
これでも二割くらいカットしました。書いてる途中で放棄した箇所は、後で何らかの形で掲載するかもです。
「価値観の対立と融和」というテーマもあるのですが、今回は特撮オマージュの部分が多いです。
「お前に何が分かる……!」――価値観の衝突を簡潔かつ最大限に表現する台詞です。これも私が最もリスペクトする脚本家先生へのオマージュです。
今回は最終章への伏線もブチ込んである、「神産みと神殺し」に不可欠なエピソードとなっています。
1.南郷十字
彼も園衛と同期の古いキャラクターです。彼女とは運命で結ばれています。
原形からは名前も性格もかなり整理、変更してあります。
園衛が「10年後のラノベヒロイン」なのに対し、彼は「10年後の特撮ヒーロー」的な設計にしてあります。
たとえるなら「2号もV3もいない仮面ラ〇ダー1号」「おやっさんも滝も死んでヒロインも敵に改造された本〇猛」「最終回後も誰にも救われずRXにも進化しない南光〇郎」といったところ。
彼には超人的な力もありません。ちょっと装備が豪華なブルー〇ワット……というのが昔からのコンセプトです。
体の一部が義体なのは、そういう不完全さ、不可逆の喪失を表しています。
と同時に、遠慮なく痛めつけるためでもあります。ヒロイン達の代わりにボコボコにされるのも役割です。
死ぬほど苦戦するからこそ、勝利のカタルシスが煌めくのです。
シリーズ構成中の名前は、有名特撮ヒーローから一字づつ拝借して「南郷慎」でしたが、似たような名前のキャラが劇中にいるので、現在の名前に決定しました。
2.辰野佳澄/ドラゴンカース
今回の悪堕ち担当そのいち。
幼馴染はねェ~悪堕ちしたりィ~~ラスボスになることで最大限に輝くのよォ~~~ッッ!
彼女も南郷と同期の古いキャラクターです。昔から悪堕ち担当でした。
今回は早々に始末されたから南郷の精神が破壊される程度の被害で済みましたが、「撃てましぇぇぇぇん!」とか主人公っぽく覚悟を決めずに放置していると世界が滅びます。
3.宮元空理恵
数年前に書いていた小説からの流用キャラ。
原典ではJKニンジャな主人公でしたが、今回は年齢も引き下げてサブキャラとなりました。
南郷と園衛が共に守る対象であり、人と人を繋ぐ接着剤の役割をしてもらいます。
4.アズハ
元は空理恵が主人公だった小説の第一話の敵キャラで、名前も違っていました。
今回、空理恵が一般人となったので、若返り&大幅設定変更でJKニンジャの要素やクローンの負の面を一手に身代わりしてもらうことに。
彼女は闇堕ちなので悪堕ち枠ではありません。
黒ギャルなのは私の個人的な趣味及び、エルフとか魔族とかいないリアル系世界観でキャラクターのビジュアルに幅を持たせたいので設定しました。黒ギャルってエルフみたいなモンやし……。
5.タケハヤ
南郷と同期の、とても古いメカニックです。原形は20年近く前まで遡ることに……。
某仮〇ライダーに登場するバイクロボットが無言で怪人をブチのめす姿に感銘を受けて、「このメカニックとヒーローのコンビネーションを発展させられないだろうか?」と思い、装甲服の兵士とバイクロボのコンビ発案に至りました。
当時からマーチャンダイジングを仮定考慮したデザインで、ヒーローとの組み合わせや武装変更による広い拡張性、遊び方の幅を持たせてあります。
今回は多少の会話能力はありますが、フレンドリーに話すことは絶対にないし、自我を持つこともありません。
冷徹なメカニックの魅力を描くためのガジェットとなっています。
6.エイリアスビートル
やりたいこと好きなことをブチ込んだキャラクターです。
世界で最もカッコイイと思っている某カブトムシ怪人のオマージュです。
あのカブトムシ怪人の活躍がもう二度と見られないのが悲しい……ならワイが書いたるわ! という気持ちで描写しました。
そんな不純な動機にキャラクターとしての性格、因縁を付加してドラマ作りを行いました。
7.ソーカル・ザラトイ
空理恵と同期の流用キャラクターです。
元はロボットの操縦とかしていました。空理恵が対人戦、ソーカルがロボ戦担当という分担でした。
今作では完全に脇役で、ロボに乗ったりはしません。
同じくサブキャラのクローリクも出自は彼女と同じです。
・次回以降について
本作は複数の構成案があり、「全五章案」「全八章案」「全十二章案」のいずれかを選択する予定でした。
本来なら1年で全章書き切る予定でしたが、大人になるって悲しいことなので、時間的理由で長期化した結果、「全五章案」採用とあいなりました。
四章と五章はこの作品の真髄的な内容になると思います。伝奇要素も混ざりつつ現代SFらしい話になります。
ポリティカルでアナーキーな話を、どこまでライトに描けるかの挑戦でもあります。




