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陰キャと陽キャの真ん中を伝授してあげる!!  作者: GM
一条グループによる安らぎの崩壊
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豪快に笑う彼女の武器は向日葵のような笑顔二

大宮は躊躇することなく扉を開けて談笑しているグループの方へ小走りで駆けて行った。元気な人だなぁ~。


 「ごめん、ごめーん!!廊下の前で山崎君と話していたら思った以上に弾んでしまって長くなってしまったわー」

 「まみー遅いぞー。何分待ったと思ってるの?まぁ十五分くらいしか待ってないけど・・・ねぇ、それより私の大好きなまみーを十五分も奪った山崎君とかいう人はどこに居るの?」

 「まぁまぁ、みきそんな怒りを露わにしたらあかんよー。確かに十五分も教室から離れとったんは悪かったと思ってるよ。せやけど山崎君を敵視するのはあかんと思うわ。まぁ、彼極度の人見知りらしいからな。ははは、いやぁ面白―。せやけど教室に誰か居るから言うてドアの前で固まってるとか人見知り以前のただの怖がりやろ、

っはははあ」

 「クラス替えの時は確かに緊張してドアの前でどうしよどうしよーって固まってしまうのは仕方なくもないけど、クラス替えからもう二ヶ月は経ってるもんね。でもまさかみたいな感じのやつやったらまぁ、分らなくもないかな。」

 「へぇー。京もそんな時期があったんだ。私は普通にみんなおはよーとかいって教室に入ってたよ。そんな気にするようなことじゃないじゃない。」


女子が会話を集中している今なら誰にも気づかれることはないと感じた俺は素早く自分の机まで行き荷物をとることにした。もとより教室で一息つき、さっさと帰宅するつもりだったのだから。しかし、そうも簡単には問屋が卸さなかった。

 

 「山崎君、なにさっさと帰ろうとしてるの?私達はあなたも待っていたのよ?あなたが十五分も教室の前でうじうじしていなければ家に早く帰ることが出来たのよ。それにまいが居なかったらあなたいつまでも教室の前でじっとしていたでしょ。」

 「相変わらず香音は容赦ないなぁ。私らにも多少は悪い部分はあったと思うよ?それに山崎君あぁ見えてなんか面白ろそうやし。」

 「確かに山崎君に放課後残って校外実習のこと決めるとは言ってなかったわね。思い出してみれば。山崎君、

そのぉー・・・ごめんなさい。」


謝れるのは嫌いではないがいざこう言われてしまうと自分も悪い事したという気持ちになってしまう。俺も悪い部分がなかったとは言い切れないし。俺は一条の隣に座っている大宮を見るとそれに気付いたのかこれでちょっとは気持ちが楽になったやろ?みたいなが含まれている満面の笑みで振り向いたのだった。いやぁ、ここ数分で俺からの大宮に対する好感度一気に上昇したよ。

 

 「ん?いや、ちょっと待って俺別に悪いことしてないじゃん。悪いのは何も言ってこなかった一条が悪いんだし。」

 「な、なんかいきなり喋りだしたよ。しかも一方的に香音が悪いって言ってるし、山崎君っていう人こんな黒いキャラだったの?ただの陰キャ交じりの村人Bかと思ってたからビックリした。」


一番悪い事言ってるの君だよ・・・。陰キャ交じりの村人Bとか悪口極まりないじゃん。しかもビックリしたとか確かに全然教室で喋ったことなかったけどそれでもなかなかの悪意だよ、それ。


 「はははは。山崎君喋りだすと本間に面白いわぁー。これからよろしく頼むぞ、山崎同志」

 「いや、同盟組んだ覚えないんですけどぉー。あと何故に同志?」

 「っはははは。やっぱ面白いわ。山崎君。じゃぁ、今日は私はもう覚えてるやろうから私以外の班の子の名前覚えてもらおか?それが済んだら今日の所はお終いでいいやん?香音」

 「あぁ、あなたは知ってます。クラスの皆に好かれる一条香音さんですよね?」

 「当たりね。私は普通の事してるだけなんだけど。」

 「それで確か作家プエルト先生の大ファンとか?」

 「ちょっと、そ、それは言わないで・・・・よ。恥ずかしいじゃない」


担当編集の顔が急に赤くなった。俺の大ファンで担当編集者でいくれるのはこちらもとても嬉しいけど、こうも顔を赤くされると、いつ他の子たちに察されるのかたまったもんじゃない。


 「香音もプエルト先生の作品好きだったんだ?実は私もなんだ。あ、ちなみに私の名前は京。よろしくね。」


二人も俺の作品を好きな人が居るのか。嬉しいな。

 

 「最後に私は愛乃みき。私の大好きなまみーにデレデレとした気色悪い顔を見せないこと。分かった?」

 「デレデレ=気色悪い顔は流石なんでも言い過ぎでしょ。さっきから一番悪い事言ってるのみきさんだよ?」

 「ちょっと待って、みきさんとか気持ち悪いからみきかみっきーでいいよ。みきさんだけは彼氏でも何でもないのに呼ばないで。あ、まみーなら全然オッケーだよ。えへへ」


そのあまりのにやけ顔はさっきみき自らが言っていた気持ち悪いそのものであった。が、もし軽はずみに言ってしまうと人を傷つけかねない恐れがあるので踏みとどまることにした。

 

 「みっきーその顔変態さんみたいだよ。言ったそばからそれはあまりにも馬鹿がすることよ。」


一条がさらりと言ってのけたのだった。

 

 「山崎君ごめんな。みきは相手にはきつく言う割には自分には激甘やねん。まぁ、それも一つのこの子が持つチャームポイントでもあるんやけどな。」

 「大宮はみきのお母さんですか?」

 「ははははは。そうに見えるかもしれへんけどそれは断じてお断りしますわ。」

 「じゃあ、そろそろ終わりにしましょう。閉校時刻になるし、それにベッドで寝転がってプエルト先生の続きを読みたいし。」

 「私も同感。」


二人ともどんだけ俺の作品好きなんだよ。そんなに言われたら恥ずかしくなってきちゃうじゃないか。と、こんなところで今日の放課後は煩く終わったのだった。

因みに敢えて一条以外のメンバーには言わなかったが、てかもし言ったら俺が作家とバラシタも同然なので口が裂けても言わないが、プエルトとは俺の現ペンネームで初期はプエルであった。それも作家デビューする前のお話で一条だけが知っている俺のペンネームだ。

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