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陰キャと陽キャの真ん中を伝授してあげる!!  作者: GM
一条グループによる安らぎの崩壊
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コミュニケーションが上手い宮崎未恋

ただいまの教室はとても騒々しくなっている。ついさっきまでは静寂と言わずともそれなりに静かだったからだ。それがなぜかというのは分かるだろう?五分前に英語のテスト出題範囲が盛大に黒板で書き出されたとき皆が絶望を感じていた。まみーと一条と俺はそんなこと思っていないけれどまぁ、俺たちの事は一旦置いといてクラスの皆はどうも書き出された瞬間に諦めたのかどうかは分からないが今は完全に英語のテストの事なんか忘れてテスト明けの週末はどこで遊ぶや、早く心臓の負担を軽くしたいなどと友達と喋り合っていた。

確かにテスト一週間前やテスト返却日は心臓がずっと痛かったような気もしなくないな...あ、俺の場合は心臓じゃなくてお腹だったわ。中学生の頃はこの日が来るたびに毎日お腹を下していた記憶がある。おかげでいつもいつも予習と復習を何時間も家で引き籠って勉強しているだけの三年間だった。だがそれが損ばっかだったのかと問われるとそんなわけではない。三年間家で引き籠って勉強した成果が高校の勉強で反映されてテストでは余裕を持って挑めている。まぁ、その代わりに俺はいつの間にか陰キャになっていたのだが(一条やまみーいはくそれは陰キャじゃなくただの村人らしい)自分の所属している高校はどうも府内でも進学校と呼ばれていて偏差値もそこそこ高いらしい。俺はここを決めたときの事をよく覚えてないが親が言うには高校なんてどこも同じなようなものだから適当に決めてと言ったみたいだ。親は俺の仕事の事も考慮してその後も熱心に自分がどこに行ったらいいのか検討してみてくれた。そこで最終的にこの高校に行く決定打となったのが担当編集(一条)の行先にあなたも行けばいいだろうということだった。俺は母の考えに異論はなく快く承諾した。今では本当に助かっていて、これがもし遠い距離だったら小説の新作会議や色々な話し合いの時間が少なくなり良い作品作りが出来ないからだ。

さて、話に戻ると心のどこかで絶望を感じている彼らは誰がどうと言おうとも秀才たちでテストまでにしっかりと帳尻をつけてくる。それがギリギリだろうが問題なかろうが、、だから特に心配することなどない。

こうして滞りなく少々騒がしながらも四時間目は終わりを迎え昼食の時間になった。俺は一条から出された命令を忘れず、一条たちのいる食堂へと向かっていた。そういや食堂でご飯を食べた事ってないなぁ。購買で唐揚げかパンしか買ったことないぞ・・・どうりで昼食の時間教室に陽キャ達が居ないなと感じたのは食堂でいつもご飯を食べていたからなのか。

食堂に着くと大勢の生徒が食券器に並んでおり「今日はカレーにしよ!!」や「いやいやラーメンでしょ」とか友達と吟味し合いながら悩み合っている。価格的に本当に安くて美味しくて学生に優しい値段で提供してくれるのがここの購買のいいところだ。高くても五百円までというのが本当に学生を思ってのことっていうのがおばちゃん達優しすぎないか。俺が一番優しいと思ったのは百円玉をじゃらじゃら入れずにワンコインで済むって言うのがどれほど有難い事か...ていうか食堂めちゃくちゃ煩いなぁ。ここは仕事帰りの人らが集う居酒屋かなんかなのか。陽キャが居過ぎて俺みたいな陰キャ全く居ないように思えるんだが、、、とにかく一条達を探さないとな。

 「もしかして君が山崎君?私隣のクラスの宮崎未恋、かのの友達を幼稚園の頃からやらしてもらってまぁーす。えぇーっとですね、かのから山崎とかいういかにも村人みたいな人が食堂周りで迷っていると思うから見つけたら連れてきてと言われたんですよね。私まだ昼食食べてないので早くかの達の所へ向かいますよ!!山崎君」

この女子も俺のことを村人呼ばわりかよ...響きは陰キャよりかはまだましだがそれでも若干傷付くなぁ。

 「ははぁ、一条さんの友達がお腹を空かされてるのに、態々私のために昼食の時間を割いてくれたなんて本当に申し訳ないことを...どんなお礼をしたらよいでしょうか?」

 「ちょ、ちょっとそこまで丁寧に謝られるととても気持ち悪いんだけど...私と山﨑君は同学年だし、それに今ここでお話しした以上友達になったってことだから。だから」

宮崎未恋は俺の顔を真っ直ぐに見つめ、そして幸せを噛み締めるような笑顔で俺の陰キャ脳が壊れるような一言を発した。

 「これは相当親しい友達とか心を許している人によく呼んでもらっているんだけど・・・これからは「れ・ん」って

呼んでほしいなぁ。」

こんなの二学年全員に物凄い怖い形相で睨まれ、しまいにはフルボッコにされるじゃないかよぉ...

 「俺...皆にフルボッコにされてしまうじゃないか。いくらなんでもれんってちょっと、、しかもついさっき会ったばかりなのに。」

 「ははは!!きー君気にしすぎやって!!ははは、女子を下の名前で呼ぶのにそこまで抵抗してたらこの先ずいぶん苦労するなぁー。」

れんはさっきから顔をニヤニヤし、笑いを堪えるよう手で押さえ俺の方を向いたり、向かなかったりを繰り返していた。内心は少しキレ気味でいたがもしここでキレてしまうと短気だとかいちいち反応しすぎとかと笑われ余計彼女の沼に嵌って出られなくなるからこの場はキレずに我慢することにした。

しかしそれもれんは分かっていたようで---

「ぷ!!っははは!!いやいや短気なうえに正直どうでもいいところで敏感過ぎて...っはは本当にきー君は弄り甲斐があるなぁー。しかも態々弄られまいと我慢して。これ香音にやったら何か面白い事私した?って直ぐ言われて終わるけどまさかここまでも弄れるとは。」

どうも逆効果だったらしくあそこでキレておくのが正解だったのだろう。れんは終始笑い続けていた。本当に失礼なやつだ。

 「そこのお二人さん人を待たせておいて何仲良く、楽しそうに談笑してるの?宮崎未恋さんあなたも昼食を摂ってないのにそんなに長話していてお腹空かないのかしら。それに山崎君あなたには女子を気遣う気持ちや、自分の強い意志はないの?だ・か・ら・あ・な・た・は・いつまで経っても"村人″のままなのよ。」

 「あぁー!!れんちゃんやん!!昼ご飯大丈夫?うちのとこのザキが手間をとらせたみたいで悪い悪い!!

でさ、れん・・・ざきはどうだった?言った通り面白かったやろ?」

 「いやいやまみー、聞いていた以上にめっちゃ面白かったんだけど!!短気なくせに言いたいこと我慢して、、

しかもどうでもいい事にきーくん敏感過ぎてその反応がもう本当に面白くて!!あっはは、思い出したらまた、、笑いがこみあげてきた!!っはははは、本当にこんな子が近くに居たなんて早く弄っとけばよかったぁーー。」

くっそ、なんか弄ばれているし...ちょっとれんはやりにくいなぁ...なんていうかまみーとかとは違うタイプで強キャラだなぁ。

 「あなたが今感じているようにれんは私達とは違うタイプの陰キャでも陽キャでもないタイプだわ。うーん・・・なんか陰キャ陽キャって言いにくいわねぇ。めんどくさいからSキャラってことでいいかしら...それでれんはSキャラなうえに色々な年代の人とコミュニケーションとるのが非常に上手いのよ。山崎君には彼女の持っているその能力も盗んでほしいし、れんのような絡みをしてくる陽キャともし関わることになったらあなたは押されてしまうだろうし」

一条は顔をニヤつかせながら「まぁ、直ぐに打ち解けたみたいでよかったわ」と言い、それから全員を見渡し

 「さぁ、遅くなったけど昼食を摂りましょ。」だけ残し、食堂の一番端のテーブル席へ歩いて行った。」

 「確かにザキは押されてしまいそうやなぁ...一対一でもこのざまだったらもし多数の人と絡むような日が来たらかなりきついかもしらんわ。」

 「陽キャって人弄じったり、良い意味や悪い意味で人を注目させたり自分の好感度を上げるためにも他人を使って自分を上げるような事をするからねぇー。本当に自分の事と同等の人としか考えてないパリピ共は厄介だよぉー。」

 「山崎の今の状態じゃまず無理だよね。多分何も言えずに押されてフルボッコにされてお終い。」

みきの相変わらずのバッサリぶりに俺の心もぐさりと刺さったが、それが今の俺の状況なんだと知り、逆に納得した。

「よくてもまだBキャラのあなたには相当きついよ。私達みたいにSキャラにならないと(ニヤリ)。」

「いや、みきもSキャラにはなってないからね。」

自分がSキャラなのを自慢したいのか胸を張って言っているみきだったが京のツッコミによりあっさりやられるのであった。

 「ま、そんなに気にしなくて良いって」

 「お、おう。」

こうして俺らは一条の待っている座席に行くのであった。









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