第五話
よし!とりあえず商人を集めるか金が無ければ動くに動けん。四歳になって金を稼ぐなどと考える事が異常だと気づかない正義
だが現状どうしても我慢出来ない物があるため動かざる得ないのだ
「味噌と醤油、後清酒は•••無理だな」金を稼ぎ味噌と醤油を作るその一段階として和紙を作るつもりだ
リナを連れて父上に話そうと向かうとドタドタと走ってくる者ガーラがいた肩には赤いトカゲの様な物がくっ付いておりチロチロと舌を出し入れしていた
「ようレウス!試合しようぜ!」最近剣に興味を持ち、事あるごとに持ちかけてくる。メイド達に聞くと騎士に対しても試合をしていて相手をボコボコにしていると聞いている
そのくせ負けると愚図り「父様に言いつけてやる!」と騎士としては困り嫌われている
正義も流石にそれは不味いと一度だけ試合をしてボコボコにしたのだが父上にバレて叱られた。それからは試合を避けているがガーラは気に食わないようだ
「兄上、これから父上に用があるのです」
「そんなもん後でいい俺の言う事が聞けないのか!次期当主様だぞ!!」
内心ため息を出しながらどうするかと考えていると「ガーラどうしたのですか?」奥から煌びやかな女が歩いてくる
髪は団子の様にまとめキリッとした目つきは他者を威圧するそして手にある扇子をパチリパチリと音を立てている
「母様!レウスが反抗するのです、次期当主として試合を申し込んでいるのにこのままではレウスは貧弱になってしまいます」
「あらそうなのレウス、ガーラは次期当主になるのだから反抗的な態度は良くないわあなたはガーラを補佐するのですから」
「ラナ叔母様でよろしいですか?兄上はまだ子供であり試合となればお互いに怪我をしましょう。加減を知らない我らには早いのでは無いですか?」
ジロリと睨みつけられパチンと一際大きく鳴ると「その態度が良く無いと言っているのです」
なるほど。これなら傲慢にもなるだろう、今のラナに何を言っても無意味か、ならば仕方があるまい
「解りました兄上試合をしましょう。父上にも見てもらいます次期当主としての腕前をね」
ガーラは嬉しそうに返事をして父上の所に向かった、それを横目で見ながらスッとレウスを睨み「悪魔の子め」と呟いて去ってしまった
悪魔の子?そう言われる覚えは無いがともかく試合だリナに木刀の準備をさせて父上の所に向かう
仕事がひと段落したのかガーラの話を聞いていた。そこにレウスが入るとガーラは木刀を掲げて「勝負だ!!」と奇声を言いながら向かってくる
それをヒョイと躱して「無手の者に襲いかかるそれが武•••騎士か?」
「先手必勝だ!あた!」ルーガスの拳が落ちて説教を始めた。一息つけてガーラを下げさせレウスに向かい合う
「全くガーラは剣を与えたのは早かったか?レウス無理しなくていいんだぞ」
「大丈夫です父上、それよりお願いがあるのですが」
自然と笑顔になるルーガス、レウスは物分かりが良すぎて駄々こねたりアレが欲しいと何も言って来ない、何を与えても嬉しそうにするだけだ。始めて息子に喜んでもらえると思うと顔が綻ぶのも仕方がないが直ぐに引き締まる
「商人を紹介してください出来れば全員」
「レウス•••理由を聞いてもいいかい?」
「えーあー理由は•••紙を作り販売します他にも色々と考えていますが」
「何?紙を作る?作り方を知っているのか?」
「えぇまぁ知っています」
最近気づいたがレウスは鬼才だ。常人では測れない何かを持っている、その一つが前に描いた表だ。今回もそれに乗るのは良いが
「作り方を知っているから販売しようと考えたか、何故商人全員なんだ?」
「一つは様々物を販売と技術を教える為です、一つ商人は利に聡いその為自分の目で見たい、一つ様々な分野の商人と知り合いたいです」
「なるほど、二つは解るが販売と技術を教えるとは?」
「販売するものは現地に行って売りますよね?その時に農業に関する知識を教えたい、もう一つ村の情報収集にも協力させ状態を確認する」
これが鬼才の申し子かと噛み締め嬉しさと困惑を飲み込んだそして「許可する。マルク手配を頼む」
「父上まだあります、兄上との試合を見る事と決して止めたりしないで下さい」
「それは•••お前の事だ何かあるのだろうが危険と判断したら止めるからな」
充分ですと頭を下げて出て行き、入れ替わりにマルクが入ってきた
「ルーガスいいんですか?」
「あぁ少なくとも何か考えがあってのこと、それと教会からの連絡はあったか?」
「数日中にはと•••レウス様が取り憑かれてるとお考えで?」
「•••悪魔にか?私の目にはそうは映らなかった、あれは信念のある目だ。だがあの歳でこれ程の事考えられるとは考えにくい」
「紙を作るか、羊皮紙ですかね?」
「違うだろうなあの鬼才だぞ?思いもつかない所から作るだろう、ともかく神父に見せた方がいいだろうな」