召還!!おまえら…
30分後…
「お待たせ~。どこで呼び出す?」
「なんかあっても困るから敷地の外でやるか…」
「そだね。じゃ、れっつご~」
敷地から少し離れた場所で
「光と闇は問題ないらしいからそっちから呼ぶぞ。んじゃそれぞれ呼んでみるか…」
「ねぇ朝にぃ…どうやって呼ぶの?」
そう言われれば…仕方ない色々やってみるしかないのか…ファンタジーの王道だと心の中で精霊に呼びかけるってのが定番か…
「とりあえずは心の中で呼びかけてみるか…」
「ん…了解」
そう返事すると早速目を閉じ何かに祈るよな体勢に入る朔夜…しばらく見てると朔夜の体の周りに黒い霧の様な物が湧き徐々に朔夜を包んでいく…まったく姿が見えなくなってしまい
「おい!朔!」
心配になり声を掛けた瞬間、黒い霧が一点に纏まり、漆黒の球体に変化する。球体がさらに闇を濃くし一帯を包み視界をも遮った一瞬ののち、朔夜の目の前に巨躯で漆黒の狼がいた。
やばい…そう感じ朔夜に慌てて近づこうとした時…
「朝にぃ。大丈夫だから。これが闇の精霊だよ」
朔夜はそう言うと狼に近づき手を伸ばす。すると狼は頭を下げ朔夜に甘える様な仕草をみせ、朔夜を舐めまわす。
「くすぐったいよ…あ~もうべちゃべちゃになるからやめなよ」
物足りなそうにしながらも狼は朔夜の言葉に従う。
「はい。次は朝にぃの番」
あっけに取られびっくりした表情のままの俺に声が掛けられる
「あっ…ああ。わかった」
そう返事すると万が一を考え少し離れた場所で朔夜がやっていたように目を閉じ心の中で呼びかける…
光よ光の精霊よ…聞こえるか?聞こえるなら呼びかけに答えてくれ…そうしてしばらく強く念じる…
すると胸の奥に光を感じる…光に意識を集中しさらに強く念じる。すると眩い光が体全体を包む感覚に囚われる。
「定めにより巡り会いし我が主よ…」
声が聞こえる…光がいっそう増した後収束してゆく。すべてが収まり目を開くと目の前には巨躯の純白の狼がいた…
「我ら光と闇の精霊、あなた達を主とし共に仕えます」
俺の隣には朔夜がおり、目の前の白い狼の隣には黒い狼が並び俺達に向かい頭を垂れていた…
「わが主達よ…我らに魔力をお願いできますか?」
魔力?どうすりゃいいの?まず俺達に魔力ってあるのか??
「特別なことしなくて大丈夫です。それぞれ我らに触れていただくだけで…」
まぁそれでいいなら…朔夜と顔を合わせ頷き、それぞれ…朔夜は黒狼に俺は白狼に手を伸ばす…
狼達に触れる…ずっるっと体の中から何かが抜ける感覚…朔夜も同様なのか眉間にわずかに皺が寄っている。
「うにゅ…」「うご…」
変な声が聞こえる…ん?狼なので表情ははっきりとは読み取れないが明らかに変顔になってる…さらに変な声を上げながら2頭が倒れる…なんかしたか?
数分後、意識を取り戻し起き上がる2頭…突然体が光だし光が収まると目の前には白、黒の服を着た男女が立っていた。
「すんごいですご主人…」「すごいですご主人様…」
白と黒が満面に喜びの表情を浮かべ手を取ってくる。
「もしかして白黒狼か?なんで人型に??」
「主たるあなた方の魔力をもらい人型に変化しました。人型になるのに相当の魔力が必要なので…も~すごかったです…極上のの魔力の質…そして魔力量…もう絶対離れませんから!!」
後半はハイテンションで話す黒女…もとは黒狼だろう。その横で馬鹿みたいにぶんぶん頭を縦にふって喜ぶ白男…こっちは白狼か…
「あの~それでお願いがあるんすけど…俺達に名前もらえないっすか?」
「名前って呼ぶなら光・闇でよくないのか?」
「名前もらうと更に契約ってか関係が強くなって、力も増すんすよ…なんでお願いするっす」
黒が相変わらずの状態…恋する乙女…状態で頷いてる。
体育会系ハイテンションの白男…ちょっとうざい…まぁ光・闇じゃちょっとな…どうするかな…
「朔…当然黒はお前が名前つけろよ」
「うん。了解。どうしよっかなぁ…?」
俺もどうっすかな…光で白か…そういや白く輝くって意味の皓ってどうだろ?
「おい白いの…コウってどうだ?俺達のいた世界の文字、漢字で皓…白く輝くって意味だ」
「コウ…うん。いいっすね。ありがとうっす。これからはコウって呼んで下さい。ご主人」
「夜宵…宵は夜の始まり…僕の名前から一文字、夜をつけて夜宵…どうかな?」
「夜宵…ありがとうございます…ご主人様」
嬉しそうにはしゃぐ二人。まぁ無事にすんでよかった…ほっとしてると
「ご主人まだっすよ。他の精霊まだ呼んでないっす。あいつらは俺たちが呼ぶっす」
そう言ったあと皓と夜宵はそれぞれに魔方陣を描き残りの4精霊を呼び出す。
…うるさい…4精霊…
出てきたのはいいがそれぞれがぎゃーぎゃー騒いで纏まらない。夜宵と皓に怒鳴られて静かになり俺達の前に来る。
4精霊…姿は4聖獣か?玄武・青龍・朱雀・白虎…世界観無視か…まぁどうでもいいことか…闇の眷属として玄武が土・青龍が水、光の眷属として朱雀が火・白虎が風か
しかしこいつら納得出来ないってオーラ丸出し…爺様が言ってたとおりだな…まぁぶちのめしてもいいって事だしいっちょやるか…朔夜を見ると身体をほぐしており、目が合うとにっこり微笑み頷く…やる気満々だな…
皓と夜宵に呼び
「あいつら黙らせる…どんな方法がいい?殴り合いでもさっきみたいなのでも何でもいいぞ。さっさと終わらせんぞ」
二人は楽しげに頷くと4匹のもとへ。何か話し合いが始まりしばらく後に
「さすがに殴り合いはここの場所が無事で済まないんで魔力でお願いするっす。さっきの感覚覚えてるっすか?あの感じで魔力をあいつらに流してもらえればOKっす。一度練習しとくっす」
そう言うと皓は俺と、朔夜は夜宵と向き合い
「まず身体の中に魔力…先ほど抜けていく感じあったものを意識して下さい。…どうでしょう?わかりますか?」
俺も朔夜もうなずく…
「さすがです…ご主人様がた…ではその力を手のひらに集まるように意識してください…できましたか?できたら私達に触れて力を押し出してみてください…」
「むぉ…」「はぅ…」
言われたとおり実行…さっきみたいに二人が変な声をあげその場に座り込む…
「大丈夫か?」
「大丈夫っす…気持ちよかったっす…えへへ」 夜宵も同じ感じになってる…
「今みたいな感じで大丈夫です…どうです?体がだるくなったりしてませんか?」
「特にはなんともないな…朔はどうだ?」
「う~ん…僕も大丈夫かな」
「さすがはご主人様がた…魔力量も桁外れです…それではがつ~んとやってしまって下さい」
楽しげに夜宵がはしゃぐ…楽しんでやがんなこいつら…まぁいっか。いっちょやりますかね。朔夜と共に4匹のまえに
「俺がこいつら(朱雀と白虎を指差し)やるから朔はそっちな」
「了解。それじゃ早速やりますか…」
指をぱきぱき鳴らし2匹に近づく。危険を察したのか2匹は引き気味…逃がさんぞとばかりに掴み掛る。怯えた感覚が伝わるが無視…
「さ~てと、ふんばれよ?」
にっこり微笑みかけ朔夜と目配せし、一気に魔力を流し込む…
「ぎゃ…」「うぎ…」「ぐぉ…」「ぴゃ…」
四者四様の変なうめき声と意識なくしたようだ…
「お疲れっす。やっぱすごいっすね~なんともないっすか?こいつら目が覚めるまで俺達が見てるんで家に戻って休んでて下さい。目が覚めたら連れていきますんで」
皓に頷くと朔夜と共に家にもどる。家についてお茶を入れのんびりしてると玄関から声がする。
「ご主人~戻ったす」
朔夜と共に玄関に向かう。玄関には皓と夜宵を先頭に4人の男女がいた。申し訳なさそうにうつむいていてが顔を上げ目が合った瞬間に怯えて後ずさる…俺達は猛獣か…
足元を見ると全員が裸足だったので朔夜に頼み桶に水を汲んで貰いタオルを用意し足を洗う様に指示し玄関先では話しも出来ないので中に入れる。
まだ終わんねぇよな…はぁ…めんどくせ…ため息を一つ
人物詳細がないと解り辛くなってきました…主に自分が…
次話は詳細を盛り込みつつの話しにします。
人物紹介でもいいんですがなんとなくってことで…w