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見上げた空の色は  作者: 縁側之猫
プロローグ
2/2

はじまりの町

不定期更新組み。

気晴らし話になりそうな予感。

ケイモスの店に厄介になって半年が過ぎた。


いろいろ細かい事があったのだがそれはおいおい語る機会が来るのだろうか。


店の手伝いをしつつ日がな一日ぼんやりとしている事が多いのだが


ここに来る前と比べても変わらないなと苦笑してしまう。


よく妹に粗大ゴミ扱いをされたものだが、それも思い出話になりつつある。


ここでの仕事は在庫整理やら、荷運びなど体力仕事ばかりだから助かる。


頭を使うのは苦手なので有りがたい限りだ。


ケイモスの話によると日本の割に冒険者ギルドがあったり、学院があったりといろいろ面白いシステムが存在するようだが今の所面倒なので活用する予定はない。


しかし・・・


「ケイモス、なんでこの文明レベルなのに活版印刷はあるんだ?」


手にした本を見ながらケイモスに聞いてみた。


「ああ、王様が本好きでうろ覚えの技術を元に国家予算つぎ込んで普及させたらしい。野球やサッカーとかも娯楽として提案したらしいが、補助金その他大体的にやったのが書物の普及だったらしいから車も電気も無い世界だが印刷はできてるようだな」


「うろ覚えってことは、王さまもオチモノなのか?」


「そうだよ、変わり者王様で余り国民に顔を出さないらしいけど。知略を駆使して乱世を治めて国王の座に就いたとかなんとか」


「国王の権力があっても帰る方法が見つからなかったのか」


帰還は諦めた方がいいらしい。


「見つからなかったというか探してないというのが合ってそうそうだけどね」


「というと?」


「有名な話なんだけど、王様は本で物語を読めれば何所だろうと気にしないらしい。あまり帰る気が無いから帰還方法も調べてないってさ」


希望の糸は辛うじて繋がったままなのかどうなのか微妙な話であった。


「自分で探すにしても当ても無し。どうしたものかな」


「まあがんばってみなよ、無駄かもしれないけど。足掻くだけ足掻いた方が後々後悔しないと思うから」


「ケイモスは?帰りたいって思わないのか?」


余りに人事のように語るのでついつい聞いてみたくなった。


「ワシも来た当初は頑張ってみたんだがな。年月が経つ事に帰りたいと思う気持ちとこちらに残りたい理由との天秤が逆転してしまったよ」


はははと豪快に笑った。


いい笑顔?のようだ。


自分もいつかそうなのるのだろうか。


元の世界での心残りは、大したものが無い。


平凡に生きて来たから、平凡な執着しかないのだ。


両親も妹が居ればそれほど悲しまないだろう。

あの性格だしな、と苦笑が漏れた。



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