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DESTINY

火は芽を潰したくて、愛ゆえに

作者: 把 多摩子

君を殺してしまえば。


胸を焼き焦がす嫉妬に苦しまないで済む

ホントに苦しいんだ、心臓を鷲掴みにされてるみたいなんだ

頭の中で誰かが大声で怒鳴ってる

身体中が震えて、手足を何かに叩きつけずにはいられない

つま先から熱が上昇して、君を罵らずにはいられない


君を殺してしまえば。

これ以上君の身体を、心を傷つけずに済むって気づいたよ

そうだね、一瞬だ

君の首を絞めればいい

心臓に剣を突き刺してもいい

痛くないように、苦しまないように、オレは優しいから

一瞬で君を殺してあげよう

そうだね、それが一番妥当な方法だ


ただただ君への愛ゆえに

君を束縛して

君を独占して

君を脅迫して

君を調教して

君にオレを叩き込んだ

君はちゃんと解ってくれた?


殺すときは笑顔で居てね

死んだ後、冷凍保管したいんだ

だから笑顔で死んで欲しい

オレの大好きな笑顔のまま、死んで欲しい

そうしたらオレは毎日四六時中君の傍で

君の笑顔を柔らかに見守り続けるよ

それはオレが手に入れた安息の地


君が死んだら君の声が聞けない

君が死んだら君の笑う顔が見えない

君が死んだら君の涙が見えない

君が死んだら君の苦悶の表情が見えない

どれもこれも、オレの心を掴んで放さない君の全てが

……今後聞けない、見えない


それでも、けれども


オレは君を殺すだろう

だってそうしないと君が完全に手に入らない

言ったはずだ、オレは君が欲しい

全部欲しい、何処へも行くな

隣に居るのはオレだけでいい

君はオレの隣にいなければいけない

例え傷ついていても、死に掛けていても、死んでいても

オレの隣に居ればいい


「ねぇ、アサギ。どうやって殺されたい?」


……笑顔で頷いてくれるはずだ、オレの為に。


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