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fact makers  作者: 四条愛羅
3/3

予期せぬ突入

泉さんは迷う様子もなく、話し出す。

「この日記に、フランス語っぽい文章があってね…」

私と中森くん、そして時崎は泉さんが示したページを見た。

読める状態の日本語だけ見ると、『夢』『修復者』『紡ぐ』『四人』『仲間』など、あの夢に関わる単語が目につく。

「で、文法と単語からフランス語かなって思ったの」「へえ、泉、頭いいな」

「すごいですね…………って、新城?」


でもなぁ、『何か違う』気がするんだよなぁ


確証なんて、ないけれど


「本当にフランス語なら、訳してみましょうよ」

「どうしたの、彩希ちゃん?」

「泉に文句あんのかよ?」


みんな、分かんないかなぁ…


「もしかして、新城も思う?」

中森くんは気付いたのか、私に耳打ちしてくる。

「やっぱり、何か変だよね?」

囁き返した、次の瞬間。


「ない、ない、ない!!」


いや、絶叫しなくても聞こえますよ泉さん。

「泉、大丈夫か?」

狼狽えるなよ時崎。

「どうしたんですか、高崎さん?」

中森くん、冷静。カッコいい!!

「…こんな単語、フランス語にはない」


コロン


「泉さん、何か落ちましたよ?」

…指輪だ。きれいな水晶が填まっている。

「あ、これね、日記と一緒に出てきた指輪。何か関係あるかなあって思って…」

一瞬の沈黙を破ったのは時崎。


「おい、泉!何でこんな重要なアイテムを今まで出さなかった!?」

「ナチュラルに忘れてたぁ」

「いいじゃん、出てきたんだし。」

私は、泉さんを宥める側に回る。

「皆さん、これ、子供のおもちゃじゃないんですか?僕らがはめるには、小さすぎますよ。」

あ、中森くんの言う通りかも。なんて、私と泉さんが納得しそうになった、次の瞬間。

「なら、新城を実験台にするか」

……へ?今、時崎何て言ったの?

「あ、彩希ちゃんなら、指細いもんね!入るかもよ?」

なら、と、中森くんが私の左手をとる。

「時崎さん、指輪貸してください」

そして、私の小指に指輪をはめると、水晶が輝き出して。


パッとあの本を見ると、フランス語もどきが読めた。

『紡ぎ手として、我ら宿命に身を任せんとするものなり。紡ぎ糸よ、今我らの手に』


「あ、読めちゃった」

三人のツッコミを聞くことなく、私たちは意識を失った。


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