初っぱなからごめんなさい!
これを書いた自分がはずかしい。
「お前ウザイんだよ。死ねよ、カスが。今すぐ呼吸を止めろ。空気が可哀想じゃねーか。てかお前何で生きてんの? お前に生きてる価値なんて無いぞ。誰がお前に生きる許可なんて与えたんだ? 社会のごみくずが!」
どうもこんにちわ! 俺の名前はリョウ! 魔王を倒しにいく旅をしているんだ! これからよろしくね! ところで皆は気付いているとは思うけど、俺、現在進行形ですんごい罵声を浴びせられているんだ! その元凶は俺の事を生ゴミを見るような目でこちらを向いているよ!
「おい、お前今話聞いてなかっただろ? 主様の言うことはちゃんと聞けよオラ!」
はい! 来ました! 彼女お得意のローキック! 的確にすねの一番痛いところにクリィィィンヒットォォォ!
「あんっ!」
こんなの日常茶飯事さ! おかげで痛みを快楽に変える技を手に入れたんだ! 職業が戦士からマゾヒストに変わったのはつい最近の話さ!
「うっ! 気色悪い声出すんじゃねーよ! このウジ虫が!」
このすごい口が悪い女が……
「あぁ? なんだとコラ? 聞こえたぞオラァァァ!」
「はぁぁぁぁん!!!」
失礼。この素晴らしい女王様は俺の悪口の場合のみ読心術が出来るんだ! 悪口が読心されるといつもの三倍の! がつくお仕置きをされるよ!
「おい、いつものあれやれよ」
「い、イエスマイロード」
状況は変わって今俺は彼女の靴を舐めているよ! これに関してはもはや日課となっています! あっ! 彼女の紹介がまだだったね!
彼女の名前はマリー。髪の毛は金髪でポニーテールで肩まで伸ばしてる。それに綺麗な顔立ちをしていて、眉毛と目がツンッ、とつり上がっており、口元はキュッ、と結ばれている。外見に関してはとても可愛らしい。そんな事を説明しているといつの間にか靴が綺麗になったよ!
「お前のせいで余計汚くなったじゃねーか!」
もはやどうすればいいか分からないよ! 俺はお仕置きを受けながらふと考えてみる。どうしてこうなったと。
俺がマリーと初めて会ったのは〇〇城での事だった。俺は当時各地を転々と移動して戦う傭兵だった。今の俺の状態では信じられないかもしれないが、腕には自信があって結構名前が知られていたんだ。
そんな時魔王が復活して〇〇王国で魔王討伐の兵が募集されていたんだ。俺はそれを見て迷うことなく申し込んだんだ。理由は男のロマンって奴さ。魔王を倒すってカッコいいじゃん! 女の子にモテるじゃん! ……今のは忘れてくれ。と・に・か・くそして俺は色んな試験を受けて合格になったんだ。
うん? センター試験? その事は聞くな! あぁ、そうさ! 浪人生で何が悪いっ!(泣) そんなこと今は関係ないか。えっ? いや今のはただの独り言さ。
話を戻そう。それで俺を含む十組が選ばれたんだ。他の八組は仲間と複数で申し込んでいた。
友達? いや! いるよ! 少ないけど…… 数より量だろ! あぁ、そうさ! 俺はコミュ障さ! 友達欲しいわ! リア充爆発しろ!
すまない、取り乱した。それで残りの一組がマリーだった。その時が初めてマリーと会った時だ。第一印象はウヒョー、カワエエ↑ ってことで俺はマリーを仲間に誘ってみたんだ。その時の会話がこれだ。
「あ、あの俺と一緒に魔王を倒しに行きませんか?」
「えっ? わ、私とですか? ……ポッ」
(ポッ、て! 可愛すぎる!)
「わ、私、足引っ張っちゃうかもしれませんよ?」
「いえ! 俺が貴女の事を守りますから!」
「そ、そ、それって、プ、プ、プロポー……ボンッ! ドサッ」
「だ、大丈夫ですか?」
嘘みたいだろ? これ、本当のことなんだ。最近俺もこの会話本当にあったのかな? 夢じゃなかったのかな? と思っているぐらいだ。これが悪夢の始まりだった。足を引っ張る……今思えばこれは違う意味だったのだろうか? とにかくそういう経緯があってマリーとは行動を共にしている。正しくは飼われている。
そう、俺は普段はこのようにクールに話す。序盤のようにやたら! がつくテンションが無駄に高い話し方はマリーのせいだ。そうじゃないとやっていけない。
「テメェ誰に向かって話しかけてんだ? とうとう空っぽの頭に虫でも入り込んだか? あ〜ん」
わぁすごい! 頭がすごいミシミシいってる! これは握力が相当無いと出来ないんだze!
今度の中継は足が地についてない状況でお送りします! 俺が最初にあれっ? と思ったのは旅を初めて最初の町についた時だ。
「今日はもう遅いからここで泊まるか」
「そ、そうだね」
「すみません、部屋空いてますか?」
「御二人様ですね。御二人は同じ部屋でよろしいのでしょうか?」
俺は目をギンギラギンにしてマリーの方を見た。
「えっ、あっ、うん…………いいよ」
「オフコースアイキャン!」
俺はその時自分でも恥ずかしいぐらいテンションが上がっていた。それで意気揚々と部屋に入ったんだ。そこから記憶がないんだ。気付いたら朝になってた。かち割れる程痛い頭痛と共にな。うん、だって18禁にしたくないもん。俺一応まだ未成年だし。
「あれ? 俺どうしたんだ?」
「疲れてたみたいだね。部屋に入るとすぐに寝ちゃったよ」
マリーはすごくぐっすり寝てたみたいで、とても気持ち良さそうな笑顔だった。俺はといえば悔しくて悔しくて仕方が無くて泣きじゃくっていた。あんなに泣いたのは赤ちゃん以来だっただろう。そんな俺を見てマリーは優しく頭を撫でてくれた。
「どうしたの? 大丈夫」
「あぐっ、えぐっ、ひぐっ、えぐっ、うぐっ、んぐっ、あ、あ、うぷっ、ありが、おえっ、ありがとう」
俺は二時間ほど泣き続けた。そして話は今に戻る。そう、頭を撫でられている、と言えなくもないとは決して考えにくい今に。
「うわっ、とうとうこいつ泣き出しやがった。お前みたいな人もどきでも涙を流せるなんて驚きだぜ!」
とうとう人としても認知されなくなったよ! この涙がどういう感情で流れたのかは心当たりがありすぎて自分でもよく分かりません!
「よし、今日はこれぐらいで許してやるか」
久しぶりの地面だよ! 今日俺はクレーンマシーンで首を掴まれて取られる人形の気持ちがよく分かる世界でただ一人の人間となったよ! 空中で頭をぶらぶらされたから平衡感覚が保てないよ!
俺はそのまま重力に引っ張られて地面に仰向けになった。そこにマリーが俺の顔を心配そうに覗き込んできた。
「ま、またリナが出ちゃったみたいですね。だ、大丈夫ですか?」
彼女の目にはうっすら涙がこぼれていた。
俺は……俺は……俺は……!
「大丈夫です!」
俺はこの日最高の笑顔を作った。
皆さん。お気づきいただけただろうか? マリーの豹変ぶりを。これには訳がある。マリーの中にはもう一人、リナというのががいる。そうマリーは二重人格である。よくある設定だ。
文句あるのか! 俺だって本当はもっと面白い設定を作りたかったさ。しかし俺には才能がない! なんなら今から俺の愚痴を延々語ってやろうか! よし! 本編に戻るぞ!
二人の性格は真逆でマリーは温厚で優しく、リナは残酷で女王。マリーはリナの存在を、リナはマリーの存在を互いに知っている。ではどういう経緯でこんな状態になったのか。実は驚くべき事にオリジナル、つまり最初にあった人格はリナの方らしい。そう、あの暴君……はっ! 殺られる! ……あぁ、そうだった。今はマリー……
「頭が空っぽってのは悲しいなぁ、これだからクルクルパーは」
やべぇ、テンション上がって来たよ!
五分後……
「あ、あれ? なんで埋まってるんですか?」
今度の中継場所は土の中か。参ったね。いやいや本当に参ったね。どうも。こればかりはどうしようもないよ。てか最近リナの対応力の成長には眼を見張るものがある。飛び出してもおかしくないぐらいだ。どこまで話したっけ? リナがオリジナルのとこか。
そんなリナに変化のきっかけがあった。ランランルーおじさんに会ったんだ。それでいろいろあってハンバーガー四個分ぐらいの衝撃がリナのもうひとつの人格を作り出したらしい。
急にニコ厨くさくなった? 俺はね真面目な話ニコニ〇動画は見た事がない。YouTubeしか見てない。ニコ動から輸入された奴を見すぎただけだ。正直アニメや漫画のネタを入れるのはどうかな? って思っていた。そういうのを入れちゃうと純粋なコメディーではなくなってしまうから。だから序盤はそういうのを入れていない。でも俺はやっぱりそういうの好きだし、面白い。
えっ? 面白くない? すみません! さようなら! (磯野貴理の夫風に)こうしてまた一人に見限られた訳だが……後深夜のノリがある。今は深夜の3時だ。そういう条件が揃っている。だから仕方ない! 仮にそうだとしても変態という名の紳士だよ! 勿論問題があるならすぐに消すけどね。裸で何が悪い! とか言えないし。だってチキンだもの! ちょっと古いネタだったかな? でも俺過去の事をネチネチと言うのスゲー大好きだから。エビの事を未だに言い続けてるし。なのに自分の事を言われるとすごい傷つく。本当にどうしようも無い奴だ。(他人事)そうそう! 俺三国志大戦が大好きなんだ! 三国志大戦好きな人はメッセージしてね!
はっ! 夢か! 変な夢だったな。本当はリナの変化の理由は教えてもらっていない。それを聞くといつもの五倍! がつくお仕置きをされる。マリーはと言うと人格が生まれる前の記憶が無いらしい。気になる……
「うーんしょ! ふわっ! や、やっと抜けました!」
なんか昔話にあったな。確か大きな株を抜く話……株の気分だ。
「リ、リナが本当に失礼しました!」
可愛いな〜プルプル肩を震わせて必死に頭を深く下げてる。表情は見えないけど地面にポタポタと水滴が落ちてるのは見える。
「大丈夫だよ。マリーは全然悪くない。それにリナになるとすごく……刺激的な時間が過ごせるし」
俺はマリーの頭をなでなでした。
注意、今のご時世ではセクハラになります。
「ほ、本当ですか?」
マリーは目をこすりながらこっちを見てきた。上目遣いサイコー!
「あぁ、本当さ!」
マリーはその言葉を聞いてにっこりと笑った。
「こんな私だけどこれからもよろしくです」
ええ娘や……マリーはなんていとおしいんだ。
「一生面倒見てやるよ」
「えっ? そ、それって……」
俺は目の前にいるそれはそれは美しい女性を優しく抱き締めた。
「あっ……」
顔は見えないがぴったりとくっついている体からマリーの体温が急激に上昇しているのが分かる。きっと顔がすごく赤くなっているのだろう。
その時間は永遠に続くかに思われた。
マリーが耳元で囁いた。
「残念だけどお別れの時間だ。永遠にな」
どうやらお約束の時間が来たらしい。さぁ、テンションを上げようか。
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!! なにこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!! こんなの初めてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!! しゅごいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!! そ、そこってそんなに伸びるんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
字数稼ぎ? なにそれ美味しいの?
以上、次の町への途中の道からお送りしました! えっ! まだ続くのこれ! 俺のテンションはもう持たないよ! 他の作品だってまだまだ書いてる途中なのに! まぁ、誰も見てないから大丈夫か! ていうかこんな感じの書いてる人がたくさんいるし、そういう人たちの作品の方が面白いし……気が向いたら続きます!
続く予定。