表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

どうなってる?

インターホンが鳴った。

鳴るはずのないインターホンが。

モニターを見る。

由衣だ。

何で?

慌ててカバンを持って出る。

「おはよう、真ちゃん。」


並んで自転車をこぐ。

「昨日ね、妹がね・・・。」

一昨日までと変わらない朝になっている。

どうなってるんだ?

聞きたいけど聞けない。

聞いたら一瞬でこのシュチュエーションが消えてなくなってしまいそうで。

何もなかったかのように俺も演じる。


本当にどうなってるんだ。

ひょっとして昨日のことは俺の夢の中でのことで、本当は昨日という日は存在しなかったんじゃないのか?

いや、俺はパラレルワールドに迷いこんでしまったのか?

もしかしてこれはタイムスリップ?

漫画じゃよくあることだから、現実に起こっても不思議じゃない。

でも、ありえないことばかり考えてもしょうがない。

それでもいろいろ考えてしまって、由衣の話など入ってこない。

それはいつものことだが。


教室に入る。

「真ちゃん、おはよう。」

真奈美が寄って来る。

「どうだった?今朝は。」

「どうって言われても、どうなってるんだかわからないよ。もう一緒に行かないって自分から言っといて由衣が来たし。」

「それ、嫌なの?」

「嫌じゃない。」

「嬉しいんじゃない?」

「まぁ。小学校のときからずっとそうだったし。」

「やけに素直ね。」

「そうかな。でも何でだろう。」

「なんでって、もとに戻っただけじゃない。」

「もとに?」

「もとの由衣ちゃんに。だから真ちゃんも戻ったらいいだけ。神様がチャンスをくれてるんだから、これを逃したらまた昨日の由衣ちゃんになっちゃうよ。」

「そうなの?」

「そう。それでもいいの?」

「いや・・・。」

「じゃあ、真ちゃんも、ね。」


嬉しいことではあるが、やっぱり何がどうなっているのかがさっぱりわからない。

放課後までずっと「?」が俺の周りを回り続けた。

でも真奈美が言ったことは本当かもしれない。

今が続くように、俺も何もなかったようにもとに戻らないと。


放課後。

「真ちゃん。」

由衣が来た。

これももとに戻っている。

いや違う。

「じゃ、行こうか。」

真奈美が言う。

「うん。」

由衣が答える。

3人で部室に向かう。

これは初めてのパターンだ。


部室には珍しく1年生の三人娘がいた。

しゃべっているだけだが。

「せっかく部室に来てるんだから少しは活動しろよ。」

からかってみる。

「してるよ、真ちゃん。これが私たちの活動だもん。」

萌がおもしろそうに返事する。

「漫研の活動、部活動よ。」

真奈美が突っ込む。

「だから、これが私たちの漫研の部活動。」

咲良がまた同じことを言う。

自分で言っておきながら吹き出している。

真奈美が3人に

「そうだ、もう少しでストーリーができあがるから、また読んでくれない。」

「え~。絵があったらまだましだけどストーリーだけ?真奈美の話っておもしろくないんだよね。」

美鈴が毒舌を吐く。

一番おとなしそうに見えて一番辛辣な子だ。

「そうだよ。私らより彼に読んでもらったらいいじゃん。」

咲良がチラッと俺を見る。

漫研内でも公認になっている。

「何言ってんの、咲良。もう読んでもらってるに決まってるでしょ。」

萌もチラッと俺を見る。

何か含みがあったらたまったもんじゃないが、この3人は明るくて嫌味がないから、話していても聞いていても楽しい。

つい3人のペースに巻き込まれて、俺たちも雑談だけで活動が終わってしまった。


一昨日までのように由衣と帰る。

真奈美は反対方向だ。

やはり気になる。

今日のことが。

由衣がしゃべり始めたら止まらなくなるので、その前に聞いてみる。

「なぁ、何があった?」

「何がって?」

「昨日、真奈美と話したよな。」

「うん。」

「それで?」

「別に、特別な話はしてないよ。」

ウソなのはわかるけど、それ以上は聞けない。

もうどうでもよくなってきた。

教えてもらえそうにもないし。

「また真ちゃんの部屋に行ってもいいよね。」

「うん。そんなこと聞かれたの初めてじゃないかな。ちょっとは遠慮してるってこと?」

「ううん。聞いてみただけ。うちにもおいでよ。」

「わかってる。また漫画を読みに行くわ。」

「漫画を読みに?それだけ?」

「じゃあ、どら焼きを食べに。」

「いつもあるわけじゃないよ。」

2人で笑う。


やっぱり俺の毎日はこうじゃないとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ