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0.冒険者組合の朝は早い

 俺の名前はロイド。しがない冒険者組合で働いている元勇者の憧れた世間知らずだ。

 理由あってここ、リネーブ魔王立冒険者組合で冒険者登録課というところで登録手続きの業務に励んでいる。


 組合の朝は早い。

 俺はまだまだ新人ということで【研修中】という文字がデカデカと入った名札を胸元に付け、午前八時の営業開始に向けてフロアの掃除をする。早速、バケツをぶちまけたが、問題無い。俺はすぐさま備品管理課に行き、颯爽とスライムを借りて水浸しになった場所に放り込む。するとどうだろう?スライムは水をあっという間に吸収する。奥様、ご家庭に一ついかがです?欲しい?ではどうぞ!言い忘れてたことがありますが、スライムは適切に管理しないと爆発することがありますのでご注意を!あっ返品は受け付けておりませんよ?


 フロアの掃除が終わると職員が次々と出勤してくる。俺は笑顔で挨拶をするとみんなも笑顔で返してくれる。なんて良い職場だ。……ああそこ止まらないでくださいね。爆発したスライムが元に戻ろうと散り散りになった欠片が集合してる最中なので。


 何故か管理課の課長に怒られたが、このあとの仕事で取り返せばいい。ほら、早速登録を希望する人たちが営業と同時に窓口に殺到する。

 ここで冒険者登録とは何ぞや?という皆さんの質問にお答えしようと思う。これも俺の仕事だからな。

 要は「俺は冒険者だ」ということを公的に認めてもらうということだ。これに登録されていないとダンジョンの探索や魔獣討伐などができない。そして…魔王への挑戦も。


 どうしてそんな登録が必要かって?

 ああ、俺もこの街に来るまでは知らなかったからな。これも業務の内だ、教えてしんぜよう。

 もし駆け出しの冒険者が魔王城近くのダンジョンになんて入ってみろ。秒殺される。それを防ぐ為にもちゃんとそのダンジョンに挑戦するのにふさわしいかどうかをダンジョン入口にいる門番に登録証を見せることで判断してもらう。そうすることで無謀な挑戦をして未来ある冒険者の無駄死になんかを無くすんだ。まぁ、登録する理由は他にもあるけどな。それはまた追々教えるし。魔王が世界を牛耳ってる限り、このシステムは変わらない。

 おっと、そろそろ窓口を開けないと登録希望者が俺のことを今か今かと待ってるからな。そうだ…最後に一つ言っておかないとな。俺はいずれ人類で最初に魔王を倒す勇者になる。これだけは覚えておいてくれ。

 その前に業務を覚えて、しっかり働いて借金を返さないといけないけどな。じゃあ今日もしっかり働きますか!


「ようこそ!こちらは魔王立冒険者組合、冒険者登録課です。ただいまより業務を開始します!」

読んでいただいてありがとうございます!以前、投稿させていただいた短編の続きとなりますのでまだ読んでいない方はそちらも読んでいただけると嬉しいです。

また、感想や評価などしてくれるとなお喜びますのでどうぞよろしくお願いします!

※こちらの作品は不定期連載となりますのでよろしくお願いします。

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