俺の隣で作家を目指す後輩ちゃん
顔が怖い先輩×陰キャで作家志望の後輩。
ほっこりするラブコメ。
「ノドかわいたな…」
呟いてしまい、隣に目をチラリとやる。
そして、よかった、と俺は安堵する。
邪魔にならなかったらしい、黙々と書いている。
静かな図書館、俺の小さな呟き声も邪魔になりかねない。
明日から、来年の1月5日まで、閉館らしい。
図書館以外で書くとすると、家くらいだろう。
俺と、この後輩の子の関係も、明日から少し休み、なのだろうか。
さて、
「何か飲むとしたら、何がいい?」
「ブラック」
「わかった」
立ち上がると寂しそうな表情で、こっちを見てくる。
『帰るの?』と言いたそうな。
「自販機で何か買ってくる」
「…わかった」
「vtuber、誰推し?」「オレ、あそこの箱推しなんだよね」「個人勢とか気にならない?」
休憩する所で談笑するなよ。
などと思いつつ、自販機の前に立つ。
「「「ヒッ」」」
いつものように、怖がられる。
つくづく思う、『俺、そんなに顔怖いか?』と。
誰からも怖がられる、顔が怖いと。
慣れたから、平気、少ししか傷つかない。
だから。
やっぱり、あの子は特別だ。
ポケットから、財布を取り出す。
長財布、小銭を2つに分けれるから、100円玉と500円玉の方とそれ以外に分けている。便利で助かる。
会計のときに、イライラさせずに済むし。
顔は怖いから、優しく接したい。ケンカとかしたくないし。
「ブラック」
ブラックコーヒー。
「安い、100円」
なぜか、これだけ100円。
だから、好きなのかな?
ボタンを押し、取り出す。
そして、少しにやけてしまう。
人生で初めて買ったブラックコーヒーが、あの子のためだったから、だろうか?
怖がられるから、と、いつもはカフェオレを買うようにしているのに。優しくてマイルドな、カフェオレに。
「「「ヒッ」」」
いや、にやけ顔でビビんなよ。
「はい、ブラック」
普通の表情で後輩の女子(高1)に渡す。
「…」
「どうしたの? 飲もうよ、俺も買ったからさ、カフェオレだけど」
「休憩する所じゃないと飲んじゃダメです」
「…そうなん?」
「(コクッ)」
「いや、けど、けどさ、家だったら本があっても飲まない?」
「ここは図書館です、先輩」
「…そっか」
図書館の決まりとか、よくわからん。
あー、どうしよっかな。休憩する所にはvtuber? とかで盛り上がってる男子たちがいるし。やろうと思えば多分追い払えるけど、この子が図書館利用しにくくなるし、俺も怖いって思われたくないし誰かから。
すると、後輩は少し顔を赤くし、
「気持ちだけでも嬉しい、です」
微笑み、小さな声で言ってくる。
か、かわええ…!
「さあ、また隣で見守ってて下さい。
先輩は優しい用心棒です」
「あ、やっぱそういう役なん? 俺」
まあ、いいけどさ。
さて、明日からどうなるのかね? この関係。
「創作って、恥ずかしいの?」
「1人だと、怖いです」
「そっか」
よくわからん。
ありがとうございました!




