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@@@《滅びの王国と記憶の継承者》  作者: 米糠


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22/57

@22  地下道の追跡



*** 地下道の追跡


 石造りの通路を駆け抜ける。封印が解けたことで、王家にしか知られていない秘密の道が開かれたが、それでも帝国の追手が完全に振り切れたわけではない。


 背後から響く重い足音と、甲冑がぶつかり合う音が不吉な気配を帯びていた。


「くそっ、思ったよりも早いな!」

 カイが後ろを振り返りながら息を切らす。


「仕方ない、奴らもこの道を知っていたってことか……」

 ライルが剣を抜き、警戒を強めた。


「でも、この先はさらに複雑になっているはずよ。追跡を巻くこともできるわ」

 ミアが周囲を見回しながら言う。


 セリスも走りながら思いを巡らせる。かつて父王が語った言葉を思い出す。


 ——王族の避難路は、ただ逃げるためのものではない。選ばれた者が次の使命を果たすための道でもある。


「……きっとこの道のどこかに、次の手がかりがあるはず」

 セリスは自分自身に言い聞かせた。



 突然、激しい振動が足元を襲った。


「なっ……!」


 石壁が軋み、砂が舞い上がる。


「何か仕掛けが動き出した……!」

 ミアが息をのむ。


「追手が仕掛けたのか、それとも……」

 ライルが剣を構えながら壁を見上げる。


 その瞬間、後ろから響いたのは鋭い掛け声——


「逃がすな! 一気に仕留めろ!」


 帝国兵たちがすぐそこまで迫っていた。


「セリス、こっちだ!」

 カイが少し先の壁を叩くと、微かに反響する音がした。


「隠し通路か?」


「多分な。こいつを開けられりゃ、一気に抜け出せるはずだが……」


 セリスがすぐに扉の中央に手をかざす。淡く光が走り、古びた壁が静かに開き始めた。


「今だ!  入るぞ!」


 一行は急いで通路の中へと飛び込む。


 直後——


 轟音とともに、背後の通路が崩れ落ちた。


 静寂の先に


 砂埃が舞い、視界がぼやける。


「……助かったのか?」

 カイが咳き込みながら辺りを見回す。


「どうやら……追手は巻けたみたいね」

 ミアも慎重に周囲を確認する。


 セリスは崩れた壁を振り返った。帝国の兵士たちは、あの向こうに取り残されたのだろう。


 しかし、安堵する暇はない。


「行きましょう。この先に、私たちが探すべきものがあるはずだから」


 彼女の言葉に、ライルが頷いた。


「……ああ、進もう」


 静寂の中、一行は再び歩き出した。




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