ヒロインがいねえ
始業式から1ヶ月後の放課後、7時前。
美春は家のソファに寝転びながら親にラ○ンで連絡を入れる。
『お母さんへ
始業式から1ヶ月が経ちましたので連絡します。
私とお兄はちゃんと学校に通い、高校生活に慣れました。そしてあの今まで部活に入らなかったお兄が文芸部に入部しました。そしてそこの部員と友達になりました。不安かもしれませんが、他の部員の2人はお兄に似てオタクだったので大丈夫です。お兄のケアは私がしますので安心してお仕事頑張ってくださいください。』
文章に誤字がないか確認してから送信ボタンを押した美春は、キッチンで晩ご飯を作ってる翔流に声を掛ける。
「お兄、今日の晩ご飯なに?」
「野菜炒め」
「よろしい」
「ダイエット中だもんな」
美春は最近体重が増えたのでダイエット中だ。そのため翔流は気を使って、最近の晩ご飯は野菜炒めである。
「さすがお兄、分かってらっしゃる」
普通は「うるさい!」とか言って物を投げてきたりするが、この兄妹にはそんなイベントは起きないらしい。
これがいつもの日常。翔流は「これが青春!」と喜んでいる。
学校ではラノベを呼んだり、竹田と咲で弁当食べたり、放課後を過ごしたり。
休みには竹田の家でゲームしたり、アニメイドに行ったり……
(あれ?)
翔流は思った。
(ヒロインがいねえ)
~次の日~
「ヒロインがいない!!」
「「……翔流が壊れた」」
放課後の部室で翔流が変なこと(?)を言ったので咲と竹田は混乱した。
そしてひどいことに翔流の肩を揺さぶりながらこう言ってきた。
「(咲)翔流、風邪引いたのか?」
「(翔流)引いてねえよ」
「(竹田)じゃあ変な物食った?」
「(翔流)食ってねえよ」
「(竹田)じゃあ……厨二病?」
「(翔流)かかってねえよ! もう治ったわ!…………あ」
「「(咲・竹田)へ~、良いこと聞いたな~~」」
((翔流)あ、これ問い詰められていじられるやつだ)
それはまずいので、話を戻すことにする。
「そんなの置いといてほら、高校生活と言ったら恋愛もあるじゃん」
「……そうだな」
「話をそらすな!」
「竹田お前はもっと考えろ」
さっすが咲、人の気持ちが分かるいいやつだ。全く、俺は良い友達を持ったな。
「翔流は絶対に言わないと思うから、今度家行ったら残骸を探そうとしたのに」
「さっすが咲! 天才!」
前言撤回、悪魔でした。
「それで、恋愛がどうした」
「……今度捨てておこう」
翔流はため息を付いて、肘を机に置き、手を顎に持って行ってから口を開いた。
「(翔流)高校生活といえばなんだ?」
「(咲)キリッと言うなキリッと」
「(竹田)……部活?」
「(翔流)違う!!」
「(咲)なにこの茶番」
「(翔流)竹田! なぜ竹田は竹田と呼ばせている!」
「(咲)日本語になってないよ!」
「(竹田)猛と言う名前はラブコメの主人公の友達Aの名前みたいだからです!」(※個人の意見です)
「(咲)今すぐ全国の猛さんに謝れ」
「(翔流)だったら恋愛しなくちゃいけないだろ!」
「(竹田)そうだな!」
「(翔流)じゃあ今からどうやったら恋愛できるか考えるぞ!」
「(竹田)おう!」
「(咲)……なにこれ」