部活。それは学校生活において後悔の8割を占める非常に災厄な要素の一つ。つらい練習。ウザい顧問の先生。そして上手かったら同期に恨まれる血と汗と涙の後悔の日々
「部活だ!」
「へー(棒)」
「反応薄くない?」
反応の薄い美春に俺は部活の重要さを解説する。
「部活。それは青春の4割くらいを占める非常に重要な要素の一つ。つらい練習。厳しい顧問の先生。そしてそれを仲間と一緒に乗り越えて友情ができ、固い絆で結ばれる輝かしい汗の青春の日々。これが部活の重要さだ! 分かったか妹よ!」
「部活。それは学校生活において後悔の8割を占める非常に災厄な要素の一つ。つらい練習。ウザくて話の長い顧問の先生。そして上手かったら同期に恨まれる血と汗と涙の後悔の日々。これが部活の正体だよ我が愛しのお兄よ」(※個人の意見です)
「……」
なんか一気に現実に叩き付けられた。
「てかお兄、運動部に入部するの?」
「? そのつもりだよ?」
「お兄運動できるの? てかさっきの聞いてまだ入部する気あるの?」
「やっぱ入部するのの辞めます、なめてましたすいません」
さっきの聞いたら怖くなったので即答で答えた。あんなの聞いたら入部する気なくなるだろ。てかなんか実体験に聞こえたの気のせいだよね? そうだよね!?
「じゃあ諦めてバスケ部のマネージャーなろうか」
「それだけは絶対やだ」
「なんで~? 女の子いっぱいでハーレムだよ?」
「俺がお前以外の女子と話せると思う!?」
少しあざとっぽく誘惑してくる美春に、俺はその誘惑をジト目を向けつつ断る。
入学してすぐにバスケ部に入部した美春はどうやら俺と一緒に部活がしたいらしく、かといって女子バスケ部に男である俺を入部するのはおかしいし、男子の方に入部しても俺多分一生試合出れないし、練習場所は分かれているので、美春と部活はできない。だから美春は俺を女バスのマネージャーで入部させようとしてくる。
普通の男なら「ぜひ! 喜んで!」っと言ってマネージャーになってハーレムを満喫をするだろう。しかし俺は普段は目立たない陰キャ。そんなやつが女バスのマネージャーにでもなってみろ。「なにこいつキッモ」とか言われるだろ絶対。だから俺はマネージャーにならない……あと純粋に美春達以外の女子と話せないというのもあるが。
「……ケチ」
頬をふくらませながらそう言ってきた。可愛い。
「よし、掲示板見にいくか」
掲示板には部員募集中とかのポスターが張ってあるので、その中から部活を選ぼうと考えた。俺は早速掲示板に向かって歩き出した。
「私を置いてくな!」
そういって美春は俺の隣まで走ってくる。
「……なんか今の妹っぽくない?」
「妹だろ! てか今ので台無しだ!」
「え? 私妹なの? 今まで姉だと思ってた」
「おい」
「冗談冗談、そんなにマジにならないで。まあ、周りから見たら私が姉だと思うだろうね」
「……」
そのとおりなのがまじで傷つく。
そうして俺達は掲示板に向けて走り出した。