プロローグ
これは、小学1……いや、一番記憶が古いのは、俺が幼稚園に入っていた5歳の頃。ひょっとしたら、それよりも昔かもしれない。
俺は物心ついた頃からいじめられていた。例えば、自分が作っていたレ○ブロックの家(?)を壊されたり、砂のお城を壊されたり、いきなり泥水をかけられたり。
当時、親に言えば解決したし、それからの小学校、中学校生活でいじめられなかっただろう。しかし、当時の俺は親には言わなかった。なぜなら、これがいじめだと分からなかった。
小学2年生の冬、もうすぐ冬休みの頃に、俺は放課後に家で宿題をしていた。母親によく、「友達と遊ばないの?」と言われたが、俺は「うん、遊ばないよ? それがどうしたの?」と言っていた。
当時、俺はいじめられてるのが友達の関係と思っていた……今思うとやばいな。
そんな俺に、父親はとあるアニメを見せてくれた。
俺はそのアニメに夢中になった。それ以来、俺は放課後になったら宿題をすぐに終わらし、そのアニメを見た。そしてそのアニメを10週ぐらいしたとき、「他にはないの?」と父親に聞いた。そして父親は別のアニメを見させてくれた。やがて、アニメの原作の小説、ライトノベルを教わり、アニメ化してないラノベを父親の部屋の本棚から取り出し、読みまくった。
いつしか俺は、ラノベが生きる意味となった。後から聞いたら、毎日笑顔になったらしい。今思うと、親は薄々気付いていたと思う。だから俺にアニメ、ラノベを教えてくれたと思う。
それから俺は、ラノベでいろんな知識や常識を身につけた。
小学3年生の秋の頃、俺はようやくいじめに気付いた。うん、今更。
一週間後、俺は親にいじめのことを言った。すると親はすぐに学校に電話して先生に話し、次の日に空き教室で、話し合いが行われた。
教室の真ん中に机が四つ、四角形になる形にくっつけ、窓側の黒板の方向から俺、母親、廊下側の黒板の方向から俺の事をよくいじめてきたリーダー的存在のクラスメイト、そしてその母親。そして二人の母親に挟まるように担任の女性の教師が座っている。
「まず話を聞きましょうか」
先生がそう言って俺は、いじめの内容の説明をした。
説明が終わると、相手の親の言い分が始まった。
「証拠はあるんですか?」
この時俺は(まじか……)と思った。
それから10分くらい言い争いが続いた。俺の親は感情むき出しになってなんか言っていた。対して相手の親は冷静で感情を一切表に出してなかった。
「だから証拠を出してください」
「ッーーー!!」
「まあまあ落ち着いて」
このままだと殴りそうだったので、さすがに先生も止めに入った。そして先生がこう言った。
「でも確かに、証拠がないので今日はお開きしましょう。これからは息子さんをよく見ときますから」
「は?」
そんな声が俺の親の口から出た。
「ちょっと待ってくださいよ先生」
気付いたら俺は口を開いていた。
それからは、覚えていない。
ただ、気付いたらいじめてきた子が絶望した顔で、「じ、自分がやりま、した」と、泣きながら言っていた。
それから俺は、小学四年生になったと同時に大阪に引っ越し、転校した。
だが転校しても、いじめは続いた。だが、俺は親には言わなかった。なぜなら言った所で、先生が解決してくれないからだ。
いつしか俺は、家族以外を喋るゴミと思うようになった。そしたら学校が楽になった。
これで最強のメンタルを手に入れた、オタクのできあがりです。