まずい
わかっている道のりだ。
急いで進めばすぐに着くはずなのに、なんで俺はこんなにゆっくりと、迷うように進んでいるんだろう。
「来たか」
カエルはおれがドアを開ける前に出迎えた。
「エンを、さっき返したぞ」
そう言ってさっさと中に戻る背中を見て力が抜けた。
「よかった。やっぱり拾ってたか」
ドアも閉めずに座り込んだ。
なぜかこいつがエンを絶対拾ってくれているとおれは考えていた。
よかった。でも ―― 、
「なあ、・・・どう、だった?エンは?」
怖いが聞かずにはいられない。
カエルはぴたりと止まり、「まずい」と答えた。
「そ、そんなに?」
「まずいな。あれは」
あのきれいな白い顔のまま横たわり、動かなくなったエンが勝手に思い浮かんだ。
「 ・・・おれのせいだ」
頭ががんがんして抱え込む。
「撃ったのは、ジリだろう?」カエルは同じところに立ったまま声を響かせた。
「・・・おれが、余計なこと言ったから、エンは無理して飛んだ。おれは、ジリがなんでテングのことをあそこまで嫌いなのか、考えたこともなかったから、・・・おれのせいなんだ」
今更そんなことを言ってもどうにもならなかったけど。
「ほう、今度はおれを責めないか?―― おれも知っていたぞ」
「聞いた。皆知ってるんだ。でも・・・」
気付くとカエルがふんと鼻を鳴らし、側に立っていた。
「先にその見苦しい肩をどうにかするぞ」
袖を引っ張られて『指定席』へ。




