初めから
途端に体中から何かが抜けた。
壁から生えたみたいなジリが前かがみで向こうをにらんでいるのが、急におかしくて
あはははっはははははは
笑いが止まらなかった。
壁から生えた男がびっくりしておれを見てる。それもおかしい。
おかしくておかしくて涙がにじむ。
「はは、は。・・・あーあ。馬鹿みてぇ。ここを出て行くのがばれたらさあ、絶対あんたに引き留められて邪魔されるだろうって思ってたぜ。だからこんな足音忍ばせて帰って来たっていうのに。なんだ。・・・サーナに、言えばいいのか?そ、うだよなあ。おれ、間違ってたよ」
馬鹿だな。
「でかくなるにつれてさ、おれは、・・・あんたが嫌いになっていったけど、そうじゃぁなくて、おれは、・・・初めからあんたに、嫌われてたもんな」
「 ふ」
おかしな声をだし、壁から生えていた男が壁から取れた。
「気が付いたらおれはあんたの子供じゃないって知ってたし、あんたにはカミサンと本当の子供がいたのになくなって、仕方なくおれを引き取ったけど、でも、おれは、・・・その代わりにさえならなかった」
急に情けなくなり腹が立ってきた。
「ふ、フッタ」
「『力』がないのだってあんたは『いい』って言ったよな?最初から一緒に狩りをしようと思ってないって知ってたから、狩を覚えようなんて思ったことねえよ!おれは、最初からあんたに必要なんかじゃなかった!いらなかったんだろ?それなのに十四年も我慢してくれてありがとよ!待たせて悪かった!やっと出て行くからな!」




