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ここを出る
「だいたいその『最初』っていつだよ」覚えてもいない。
取った実を振り向かずに後ろに投げる。
「あれは、七年ほど前か」
実を受けとったサザナが答えた。
「七年?じゃあフッタは十四年になるのか?」とエンがきく。
「なったよ。おかげさんで。十四年生きた」
答えると枝が少し揺れて、エンがあるいてこちらに寄ってきたのがわかる。
肩越しにみたエンのゆったりした白い布の服と、肩先でゆれる金色の髪。白い肌に背中の羽までが白で、陽のひかりにあたるその姿は白くまぶしい。
「 ―― そうか。じゃあ、ここから、出るんだな。 いつ出るんだ?」
大事なことを確かめるようにおれの背に手をかけてしゃがんだ。
ふりかえったら、思ったより近くからエンがこっちを見つめていて、ちょっとどもる。
「こ、これから準備するんだ。でも、そう遅くはならない。」
決心が疑われることのないようにかっこよく言い切るつもりだったのに、失敗だ。




