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毎年収穫


 ぬれた指先をなめると甘くてしつこい味が舌を刺激する。触ればぽろりと枝から取れるそれを、胸の前にくくりつけた籠にどんどん入れてゆく。

 嫌なのに、この匂いを嗅ぐと、なんだか落ち着く。



「だいたい、なんで毎年おれがやるんだよ」


「おい聞いたか? 最初はあんなに喜んだのに」

 楽しげなエンの声に、「そうだな」と答えたもう一人も楽しそうだ。



 おれの背中のむこう、いま跨がっている枝の先の方に、仲良く並んで腰掛けた『テング』たちは、口だけ出して手は出さない。



「だって、この実が必要なのはお前らだろ? 持って帰って何に使うのか知らねえけど」


 前に食べるのか聞いてみたら、ただ、『使うのだ』と答えがかえった。




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