悲しい目
久しぶりにかぐ飯らしい匂い。
腹は減っていなかったのに、減ってきた。
「さあ、たくさん食べて。フッタもまだまだ大きくなるんだから」
おれより大きくなった隣の奴がにんまりした。
「もうすぐあんたたちも大人の仲間だねえ」
皿にどぼりと鍋の中身をよそると差し出しにっこり笑う。
「だからね、フッタ 」
受け取ったそれは重くて熱くて
「もう、――― テングに会うんじゃあないよ」
手が離れ、がたんと落ちるようにテーブルに着いた皿から中身がこぼれた。
その青い目が不安を通り越し悲しい色でおれを見る。
それ以上合わせていられなくて隣の奴に視線を送ると、ワッカはこぼれた皿を悲しそうに見つめていた。
「 ―― フッタ、あんたが子供の頃に助けられたのはみんな知ってる。でもね、それからずっと《テング》に会ってるのもみんな知ってるよ。狩に行かないで《奥の森》に行ってるのだってジリもあたしも知ってる。 ワッカはずいぶん昔にあんたからそのこと聞いてたみたいだけど、あたしにも言わなかった。」
「だって誰にも言うなってフッタが」




