ワッカとサーナの青い目
この家に入ると必ず始まりは同じ。
「まあフッタ、久しぶり!いったいどこにいたの?」
おれは観念しておとなしくその柔らかい胸にぎゅうっと抱かれた。久しぶりにサーナの匂いに包まれ急に恥ずかしくなる。
「なんだかやせたんじゃない?ちゃんと食べてるんだろうね?ジリは狩の腕はいいんだけどそういうところまで気がまわせるヒトじゃぁないから」
覗き込んだその青い目はワッカと同じ濃い青で、おれは昔からこの二人の目がそっくりなのが嫌だった。
「平気だよ。ジリとおれのこと心配してくれてんだろ?でもさ、そんなにひどい状態じゃぁないよ」
さらに抱き寄せられそうなところをどうにかもがいて離れる。
すでにテーブルについているワッカがぷるぷると笑っていた。睨みながらその隣に座る。
「じゃあ少し待ってね」サーナの大きな体が揺れて台所の奥へ向かう。
「ねえ、ジリは?」
ワッカは入ってきたのがおれだけだったのを見てとると、すぐに悲しげな顔をした。
「なんだかわかんねえけど機嫌が悪い。今日の魚も干しててネズミに食われたから分けられないってさ」
「ええ!あんなに大きいのを?」
「大きくても食われたんならしかたないだろ?まあ諦めろよ。ああ、それで」おれは服の中にしまった石のことを思い出した。
「何?」ワッカの期待に輝く顔は明らかに食い物を要求していた。
「・・・なんでもない」
「なんだよ。期待させておいて」
だからあ、食い物じゃあないって言おうとしたら「ほーら」とサーナが熱い鍋を持ってきた。




