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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
※※※ カエルの家
51/217

※※※ おれを誰だと



 ※   ※   ※





 そこに立っていたのはフッタよりも大きいが大人ではなく、ヒトでもないものだった。


「なんだ?騒々しいと思ったらお前らか。ほう、しかも子供?ヒトの子だぞ」


 ドアを開けて入った赤い屋根の家の中はとても薄暗くて、壁にはたくさんのものが納まったりはみ出したりしている。

 その前に置かれた大きな机から立ち上がり近くに来た『カエル』に髪はなく、肌はつるんとして黄色だった。平たい顔にずんぐりした体。手足は妙に細長い。白い服の上に窮屈そうな黒い布の袖のない服を重ねて着、これまた窮屈そうなものを穿いていた。足先には軟らかそうな革。


 話には聞いていたけど初めて見た。

「・・・しゃべってる」

 口をあけて見上げたフッタはやっとそう言った。


「当たり前だ。おれを誰だと思ってる?」

 金色の目の中、黒目がじろりと動く。


「カエルだろ?頭がいいんだってワッカが言ってた。だからヨクニみたいな、」


「ヨクニ?ああ、ヒトの長か。おれはあんな年寄りでは・・まあいい」

 大きく一直線に近い口がひらき、喉の奥からからまるような笑いがもれる。


「ヒトの子が着られるようなものはないか?少し、沼の水がかかってしまった」

 サザナはさっきから子供が濡れていることが気になっている。



「ほう、《沼》か? あそこにいたのか?」


 カエルは奥にある部屋へ消える。フッタはその後を追ってみたいのを我慢した。



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