涙
「・・・やめろ。テングと一緒は」
諭すような頼むようなつぶやくような。
―― それは、年寄りの顔だった。
誰かが言っていた。ジリは若く見えるが、長老とそんなに変わらない年だけ生きているって。
「たのむ・・・」
低くかすれたその声は何かをこらえてるように力が入っている。
「フッタ・・・あいつらと消えるのは、だめだ」
「うるせ、・・・」
返そうとした言葉が止まってしまった。ジリの目から涙がこぼれている。
目を疑った。
「な、なんだよ。そんな・・。おれは行くからな!決めてたんだ!やめてくれよ」
ジリは急に恥ずかしくなったように両手で顔をこすったが、見せられたこっちのほうが恥ずかしくて、なんだか腹が立った。
「きょ、今日、ワッカに食事に誘われたよ。サーナが、二人で来るようにって」
今のは見なかったことにして話し出すとその背がびくりとして顔を上げた。
何そんなに驚いてるんだよ。
「おれたちの現状を気にしてるらしい。直りようがないのにな」
なるべく馬鹿にしたように言い放ち、視線を合わせないようにした。




