※※※ 伴侶
そうっと隣に立つサザナをヒトの子が見ると、しっかり目が合ってしまい笑いかけられた。
「なんだ?」
エンの高く柔らかい声とは違い、明らかに低いその声に子供の眉根が寄る。
「あんたは、オス?で、あれの、ダンナ?」
サザナはびっくりした顔で子供の顔を見つめ、すぐに笑い出してうなずいた。
「何だ?サザナがそんなに笑うなんて」
翼をしまいながらエンが来る。
子供は二人を見比べてどきどきしていた。
「わたしが、おまえのダンナかと聞かれたから、肯定したんだ」
「『ダンナ』?」
「伴侶のことだな」
「な、なにを」
「違った?」
変なことを言ってしまったかと心配する子供にサザナが笑いかけた。
「そうだ」
「サザ」
そこでサザナがエンにくちづけをし、子供は真っ赤になっても目がはなせない。
エンから顔を離したサザナがまっすぐに子供と目を合わす。
「わたしは真っ黒な翼のうえに、他の皆より翼の数も多い。それでも、一番きれいなエンのダンナだ」
赤くなって黙ったままのエンを、しっかりと脇に抱き寄せた。
「他の皆と違うと、『困る』こともあるかもしれない。でもその、違うお前を必要とするヒトもいる。だから、お前はしっかりと生きなくては」




