※※※ どちらにも
「ああ、お前も少しぬれている。カエルに手伝ってもらおう」
「カエル? カエルってあの病気を治して《酒》をくれる?」
「そうだ。 サザナ。あの水が取れたか見てくれ」
翼から水を滴らせ、上半身の布を濡れないように腰で縛ったエンが来ると、子供が「わっ」と声をだしてから続けた。
「あんた、そんな美人なのに男なのか?」
その言葉にエンとサザナは止まり、一瞬の間の後大笑いする。
「そ、そうか、ヒトは、そうかもな」
笑いが残る声でエンが言い、子供の頭を抱えた。
ヒトの子は不思議そうな顔でエンを見上げる。
「わたしは『男』ではない。どちらにもなれる。今はメスになっているが、必要とあればオスにもなれる。お前が知っているメスには胸に乳がついているだろう?」
ぐっと頭を抱き寄せられ、サーナを思い出す。
このかたい胸が女?こいつらって?
「わたしたちにあれは必要ない。ヒトのようには子供を育てないからな」
「え?じゃあどうするの?」
「知りたいか?」
「エン、もういいだろう?早く翼の水をきってこい」
「ああ、そうだな。」
肩をすくめたエンが少し下を向きながらむこうに行く。その細く白い背中の両側の筋肉が引き締まって盛り上がり動くのに合わせるように、ぐうううっと白い翼がひらかれた。
背中の骨の両側、沿うようにそこからそれは生えていて、ばさりとひとふりしたときに使った背中の筋肉はどう見ても男のものだ。




