避難場所なくす
「面倒なら放っておいていいんだぜ」
おれが気をつかって言ってやったら、カエルはしばらく黙ってからゆっくり言った。
「放っておいても平気なのはフッタ、お前の方だ。おれは彼の話を聞くのが好きなんだ。ヒトにもいいところがあるのを思い出させてくれる」
その答えになぜだかむっとしたおれは、それからワッカを連れて行かない。
いや、一緒に行かないだけだ。おれは奴に何て言ったんだっけ?もう、お前とは・・
「もう、お前とはカエルのところに行かないからな」
「え?なんで?」
「行きたかったら一人で行けよ」
「だって、フッタは?」
「おれは行くよ。ただ、お前と一緒は嫌なんだ」
一緒に来なくなったワッカのことをカエルは何も訊ねなかった。
あそこはおれの避難場所だった。
ジリもワッカも来ない。おれに干渉するやつが来ない場所。カエルは初めて会った時からおれのしたことにさえ意見をしなかった。
なのに・・・・。
振り返るともうワッカは見えなくなっていて、空が黄色くなりはじめている。
ジリが帰ってくるまでに、必要なものを袋に放り込み、いつでも出られるようにしよう。




