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文字
「外の《陸》を知ってるのか?」
おれには何も教えないくせに。
「知らん。サザナから聞いた事以外はな。それとて限られた陸の話だ。あいつは陸に降りない。必要ないからな」
「それならおれも知ってるけど、たいした話じゃないだろう?」
どんな木があるとか、川があったとか。
「まあな、それに、ここには《書物》があるから何か記してあるだろうとな。無いぞ。疑ってるな?」
「ちょっとな。でもそれなら隠してるのかもな。ここにあるのは全部読んだけど、なかったよ。そんなの」毛織物を脇に挟んで座りなおす。
書物に使われている『文字』はこいつが教えてくれた。ヒトはそんなもの必要としないからおれは最初その記号に驚いた。
「そうか・・。全部読んだのか・・・」
その中身は見たこともないモノたちの説明と、誰かの夢のなかの話。
「ああ、ちょっと前に」
そうこたえらら、カエルのでかい口がしばらく開いたままになり、低くからんだような笑いをもらした。




