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カエル シルス フッタ ノ ハナシ  作者: ぽすしち
別れ

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216/217

ただいま


「やはり、まだ子供だな。」


 あわてて顔をあげたら、たくさんのヒトとテングに囲まれている。


「な、何だよみんな。ちゃんと『力』を合わせないと」

 あせって立って顔を拭う。


「今は少しの『力』で平気だ。運転も切り替えてきた」

 おれを子供呼ばわりしたカエルが、ふんと鼻を鳴らし

「だが、よくやったな。ヤシナ。――― もういいぞ。ようやく、これで、お前は戻ってきたんだ」


 そうしたら、みんなが口々に「おかえり」なんて言い出して、また視界がぼやけてきた。


「泣けば良いだろう?昔のように」

 カエルが低く笑った。フッタはさっき、こいつとあの別れを交わしたんだろう。

「う、うるせえな。言われなくたって」もう泣いていた。フッタは、なんで泣くのをあんなに我慢していたんだろう?


「ヤシナってよく泣いて、よく笑うよね」

 ぷくぷくしたワッカの手がおれの手を取る。久しぶりに会った兄弟はやっぱりいい奴で、おれより小さくなっていた。


「だって、せっかくヒトに生まれたんだぜ」

 むこうにいるサーナと同じ顔で、ワッカが笑った。おれの家族。


「ずいぶん、ヒトらしくなったからな」

 エンが腕を組んでおれを見上げた。ずっとおれを見てきてくれた奴が言うんだ。そうなんだろう。


「そうかな。まあ、おれがおれになったってことだよ」

 みんながみつめていて、照れくさい。でも、嫌じゃあない。泣くのを我慢しなくていいって思えたのは、いつからだったかな。


 進み出たカエルが、いきなり手を差し出した。

「随分いい場所をつくったな。そして、待っていたぞ。お前が、お前の場所に来るのを」

 ついこの前だって会っていたのに、カエルはそう言った。


 おれはついさっきまで、ここにいてもいいのかどうか、迷っていたはずなのに、


「・・当たり前だろ?ここしかねえよ。おれの戻ってくる居場所は。すごくいい所でさ・・・」


 皆を見回し、これ以上の言葉は必要なく、自信をもってその手を取った。




               「ただいま」






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