おれたち
とにかく、本来の予定には無い突然のおれの登場にジリが大声で泣いてしまったその姿を見て、おれも泣きそうだった。 が、どうにか堪えた。
冷静でヒトを導く、大人の役を務めなきゃならなかった。
あの時のおれに、今のおれは、どう映ったっけ?
その後のジリとは結局、話らしい話もまだしていない。
カニに矢を放ってるときも、テングの巣でも、結局昔みたいにおれはジリに怒られてて・・・。なんだかおかしくなる。
「変わってねえってことかな。おれたちさ」
おれはこんなにでかくなったのに未だに自分が大人だとは思えなくて、しゃがんだ目の前の親父は、昨日よりさらに老け込み、幼い息子をまた失って、ぐったりとしている。
その姿を見ていたら、どうしたらいいのかわからなくて、おれは本当にここにいてもいいのかわからなくて、悲しくて、悔しくて、不安で、――― また、泣きそうだ。
去っていったこの日、この時、ジリが呼び戻そうとしたのは《フッタ》であっておれじゃあなくて、・・・おれ、本当に戻ってきて・・・
「・・・ヤシナよ」
つぶやくようにおれを呼んだジリは、力が抜けて壁にぐたりとよりかかったまま、泣きながら笑ってた。
「ヤシナ・・・、お、おれは、おれはお前の親父だなんて、お前が立派すぎて、言えないが、お、お前のことを誇りに思う。フッタは、・・・行ってしまった。そうしてこれからお前になるんだな。あの、あの生意気で、短気で・・・平気だろうか?」
おれに向けられたその顔がにじんだ。
「へ、平気だから、おれがいんだろ?」笑ってしまう。




