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『友達』
「おれ、ここの景色、すげえ好きだよ」
本心で言ったら、「わたしもだ」サザナが珍しく楽しげに回転した。
「わっつ」
焦ってその手をつかんだら、今度は声を出して笑う。
「な、何だよ?どうしたんだよ?」
笑い声が止んだ。
「・・フッタよ、わたしたちに腹が立つか?」
いつもの穏やかな声だ。
「まあな」
船に当たる光が目に痛い。
「だってさ、友達に騙されるのって、やっぱ腹立つぜ。どんな理由にしたって今一納得できねえっつうか。ジリはともかくっぐ、く、苦しい!」
「あ、すまん。そうか。わたしたちは『友達』だからか・・・」
「そうだよ。なんだよ、今更。だからさ、友達だから・・・もう、いいよ」
まわされた腕にさっきからすごい力が入っていて、叩いたらふっと緩んだ。
そのまま、上へ上へ。




