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おまえとよく似たひと
これ以上その口からは聞きたくなかった。
前に立ったこの男は、不器用で、まっすぐな、ただのヒトで・・・
「 お、おれ、あんたの子供の生まれ変わりじゃなかったよ。おれ、本人だし。 『力』がないのもしょうがねえよな」
今更だけど
「フッタ」
「か、狩をもっと、ちゃんとやれば良かったよ。 もう遅いし、テングと一緒だから平気だろうけどさ」
おれの、―― 父親だ。
「 ごめん 」
「フッタ」
「か、かあちゃんて、どんなヒトだった?」
聞かれた『とうちゃん』は、呆然としたような顔の後、くずれるように泣き笑いの顔になり、「そ、それは、キリは、」
息継ぎをして、
「 お前と良く似た、すばらしいヒトだ」
静かに言い切った。
「フッタ、わたしと一緒にキリに会いに行こう」
後ろからサザナの声。
「い、いいのか?」
「お前が産まれる前の時間だ。かまわんだろう。それに、今のお前の大きさじゃなければ、あそこまで飛べん」
ジリを振り返ったら黙ってゆっくりうなずいた。




