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いつでも来い
「・・・なあ、カエルは先のカエルから全部教えてもらって知ってたんだろ?」
「ああ、色々な。これが無事に終わったら、今度はおれが、前のおれに手紙を出さんとな」
「そっか・・・やっぱ、あんたすげえな」
知ってて全てをこの無表情に収めていたわけか。
「・・・あのさあ」
「なんだ?」
「おれ、戻ったら・・・あんたに会いに行っていいのか?」
奴の目の膜が下からさっと上がった。
「言っただろう?おれはお前の『友達』だぞ。 おまけにおれはヒトではない。・・・いつでも来い。椅子はある」
今を逃したら絶対出来ないだろうから、思い切ってその離れた目と目の間に額を押し付けた。
「ありがとな。いろいろ」目を合わせなくてすむ。
「ふん。お前がおれに礼を言うようになるとはな」
奴の鼻から出された息がゆがむ。
「あんた、ヒトだったら絶対今泣いてるぜ」
笑おうとしたのに。
「泣いてるのはお前だ。 愚か者・・・」
背中をやさしく叩かれた。




