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※※ たくさん知ってほしい
※ ※
「本当に十四年ほどで、・・・一緒に暮らすのは、それでよいのか?」
ジリはこれから四年後にこの子供を一度手元に返してもらったら、それだけ一緒に暮らし、後はまたお前たちと暮らさせてほしいと言った。
「ああ、おれはヤシナには、お前らと共にもっと色々見てきてほしいんだ。―― カエルが前に言っていた。ヒトがいるのはこの陸だけではないはずだと。あの船に乗っていたヒトだけが事故でここの陸に落ちたんだと。ヒトの他のテングのような者たちも、どこかの陸にいるかもしれないしな。お前らテングが時間を飛べるようになったのだってあの事故があったからだろう? おれたちヒトは知らないことが多すぎる。 ヤシナには知って欲しい。テングと共にいたほうが何かとためになる」
ジリがもう動かないキリの横にどすりと腰を落とした。
「 ―― おれたちの願いだ。知らないことで誤解が生じる。生じたまま解かずにおいた今がある」
キリの手を取って撫でた。
二人は口を利かずに確かめ合っている。




